塾講師のバイト、正社員に学歴や資格って必要?
当記事では、学習塾の講師をやっていく上で、学歴や資格が必要なのか、必要な場合どんな場面で求められるのか、またどのように有利不利に働くかを詳しく説明していきます。
塾講師バイトには高学歴が有利って本当?
先に結論を言ってしまうと、塾講師バイトになるのに学歴も資格も必要ありません。
しかし、現実的には学歴が高いほうが「有利」であることも否定できないのです。
学歴は宣伝材料として使いやすい
理由としては、塾というサービスの性質上、講師の能力を示すのに学歴というのは一番わかりやすいからです。
たとえば「担当講師は東大卒で」と説明されると、それだけで「優秀なんだ」と思ってしまう父兄の方は多いでしょう。
また、働き手からしても学歴がオープンになることによるメリットが存在します。
仮に「講師は全員大学院卒」ということをアピールポイントにしている塾であれば、大学院卒の人はそういう塾も、そうでない塾も選べることになります。
ただそこは、「選択の幅が違う」だけであって、高学歴でなければ塾講師になれないわけではないので、その点誤解なさらないでください。
学歴が最も有利に働くのは採用の時
また、高学歴が有利に働くのは、「採用の時だけ」の場合が多いです。
なぜなら、実際塾講師として働き始めた後は、塾講師としての「実績」が物を言うようになっていくからです、
これは進学塾の場合特にわかりやすいです。
「〇〇大学に何人合格させた」という形で、はっきりと実績が示されてしまいますからね。
「東大卒だけど、この先生の授業受けても成績上がらない」
という塾講師と、
「無名大学卒だけど、この先生の授業を受けると、みんな苦手科目が得意に変わる」
という塾講師では、どちらが高評価されるかは明らかです。
むしろ東大卒の塾講師のほうが、最初の期待値が高い分、その反動で低評価になりやすいかもしれません。
採用時ですら有名大学出身が不利に働くケースも
採用時であれば、常に高学歴が有利かというとそうでもありません。
高学歴が不利に働いてしまうケースもあります。
それは、採用時の筆記試験で、有名大学出身の人と、そうでもない大学出身の人が、同じような点を取ってしまった場合です。
たとえばその有名大学を東大だとすると、
「この人、東大卒なのにこんな問題間違えるんだ・・・学歴詐称してるんじゃない?」
なんて思われることがあります。一方で、そんなに有名ではない大学出身の人が同じ点を取ると、
「この人、意外に優秀かもしれない」
と好意的に解釈されることがあります。
期待値の違いによって、客観的には同じことをしていても評価が良くも悪くもなるというわけです。
学歴不問や高卒可の塾講師募集はあるの?
あるかないかで言えば「ある」ということになりますが、実際のところ「多い」とは言えません。
ではどんな場合に、「学歴不問」「高卒可」が見られるのでしょうか?
個別指導と集団授業
塾を個別指導と集団授業で分けて見る場合、個別指導のほうが学歴不問や高卒可の講師募集を見つけやすいです。
これは単純な話ですが、個別指導のほうが多数の講師が必要だから。
それに、塾からすれば多数の講師を管理しなければなりませんから、学歴云々より、予定の講師が急に休んだ場合などに、代わりとして柔軟に対応してくれるような講師の方がありがたいでしょう。
また、集団授業に比べて、生徒との距離が近くなりますので、その分生徒からすると講師の人柄を強く感じることになります。ですので比較的、人柄やコミュニケーション力が大事になってきます。
進学塾と補習塾
進学塾で「学歴不問」「高卒可」というケースは少ないです。志望校合格を目標とする塾ですから、学歴が重く見られるのは当然ですね。
補習塾というのは、学校の授業を補完し、学校での成績アップを目指す塾です。
こちらのほうが「学歴不問」「高卒可」という募集を見つけやすいですね。
正社員とアルバイト
正社員塾講師の場合、学歴が重視されることが多く、採用の条件が「四年制大学卒」となっていることが大半です。
アルバイトの方が学歴不問の塾講師募集は見つけやすいことでしょう。といっても、多いわけではありませんけどね。
塾講師の学歴の重みは大学生と社会人で違う?
社会人でもアルバイト、時間講師として塾で働くことはあります。
その場合、大学生のアルバイトと比べますと、学歴の重みは違います。
なぜかというと、社会人の場合、学歴以外の経験や実績に注目してもらうこともできるからです。その分学歴の比重は下がります。
また、特に社会人でも30代以上になりますと、いくら有名大学を出ていても「それはもうはるか昔のこと」と捉えられることが多いです。
受験生のころ勉強した内容や、勉強法のコツなどもほぼ忘れていて、塾講師をする上で活かすことが難しいだろうと思われてしまうわけです。
ですので社会人が学歴のみを頼りに塾講師をやろうとすると苦戦することになります。
一方、大学生の場合は、ほぼ大学のみに焦点が当てられます。現在どこの大学に通っているかが非常に目立ちます。
現役大学生ということで、勉強した内容も忘れていないし、受験勉強の経験もまだ新鮮で塾講師として活かしやすいと、塾側から期待されるということです。
ただどちらにしても、採用された後は学歴の影響は薄まり、塾講師としての実績の方がはるかに大事になっていきます。
中学受験塾の講師の学歴は?
中学受験塾の場合、出身中学も注目されます。
有名私立中学合格を狙う塾であれば当然ですが、そういう中学校を卒業している人のほうが有利です。
有名大学卒にくらべると、有名私立中学卒のほうが稀少性は高いですので、中学受験塾に限定すれば塾講師を志望する上での有効性は高いです。
では中学受験塾であれば、有名私立中学だけ出ていれば、あとは高校も大学も行っていなくていいのかというと、そこはやはりそういうわけにはいきません。
いくら有名私立中学を出ていても、最終学歴が「中卒」では、
「勉強が嫌いなんだね」
「勉強した経験は少ないんだね」
と受け取られ、塾講師としては、塾側、生徒、父兄の誰から見ても印象は良くないからです。
その条件で塾講師をやろうとするなら、何か別の方法で卓越した実力を示す必要があるでしょう。
同じ塾で働いていて同じような仕事をし、同じような実績を出しているのに、学歴が違うせいで時給が違う、ということは「ない」と考えていいでしょう。
もし現在働いている塾がそうであるなら、やめてしまって別の塾を探したほうがいいかもしれません。
しかし上述したごとく、学歴によって働ける塾の選択の幅は異なります。
たとえば「学歴不問」の塾講師の募集を探そうとすると、個人指導の塾しか見つからない、ということも多いですが、個人指導ですと集団授業に比べて時給は安くなります。
これは、一度に受け持つ生徒の数がはるかに少ないのだから当然です。
それに対して有名大学を出ている、または現在通っているという人は、個人指導、集団授業、補習塾、進学塾と選択肢が多いわけです。その中から、時給の高いものを選ぶことができます。
たとえば「講師は全員東大生」ということをアピールポイントとしている塾も実際あって時給も高いのですが、東大生であればそういう塾も選択肢に入れることができます。
学歴の違いが選択の幅の違いを生み、それが時給の違いにつながる、ということです。
塾講師をするのに求められる最低限の学力
塾講師をするには、最低限どのくらいの学力が必要になるのでしょうか?
ここでは、塾講師として働くために持っておくべき最低限の学力について深掘りしていきます。
採用テストに合格する
塾講師として働くには、塾によっては採用テストに合格する必要があります。
テストの内容としては、中学から高校レベルの内容がメインになります。
塾に集まるのは中学生や高校生がほとんどになるため、中高の学習レベルの基礎的な知識を身につけておくと良いでしょう。
具体的には、中学レベルであれば文系理系関係なく網羅的に把握しておくと安心です。
学生時代に高校受験に本気で取り組んだ経験があれば問題ありません。
高校レベルであれば、科目が細分化されるため文系と理系によって得意科目のばらつきがあるのは構いません。
とはいえ、理系であれば数学の理解力を、文系であれば英語の理解力を重視される点は抑えておきましょう。
採用テストの難易度は塾によるとはいえ、基礎的なレベルは理解しておくことをおすすめします。
そのためにも、実際に面接を受ける前に中学生向けの教材を浅めに見直しておくと良いでしょう。
自信が無い部分を改めて勉強し直す程度で構いません。
多くの塾では、数学と英語の科目が採用テストに出題されているため、この2科目は確実に押さえておきましょう。
学力がないと塾講師はできない?
「自分は学力がない・・・」と尻込みしてしまっている人の特徴として、自分の学力を必要以上に過小評価していることが上げられます。
高校受験や大学受験に取り組んだ経験があれば、塾講師として働くのに必要な最低限の学力は備わっていると考えて問題ないでしょう。
仮に学生時代に志望校に合格できていなくても問題はありません。
成功した経験よりも失敗した経験の方が生徒のために役立つことは多いです。
塾講師のアルバイトをやってみたいと思うのであれば、必要以上に自分の学力を卑下せずに自信を持って塾に面接を申し込みましょう。
高い学歴で塾講師をするデメリット
塾講師をしていて学歴が高すぎることがデメリットになる可能性はあるのでしょうか?
ここでは、高学歴であるがゆえに直面するデメリットについて解説します。
もちろん高学歴であることはすばらしく、否定するものではありません。
しかし、周囲の期待などの面で辛いところも出てくるのです。
高学歴な先生は分かりやすいというプレッシャー
高学歴であるから分かりやすく教えられるという過度な期待を寄せられてしまうことはよくあります。
実は、高い学歴があるからといって塾講師を初めてすぐに分かりやすく教えられるとは限りません。
まだ塾に慣れていない先生にも
「あの先生は○○大学なんだって!」
という、大きなプレッシャーにさらされます。
高い学歴を持つ先生にとっては、苦しい環境になるでしょう。
基本的に高学歴な先生は、学生時代も比較的優秀で平均レベル以上の理解力を持ち合わせていることが普通です。
そのため、生徒が分からないポイントを理解できず説明の仕方に困ってしまうことが多いのです。
高学歴な塾講師が直面する問題は、周囲の過度な期待と生徒が分からないところを理解してあげられないという理解力のギャップです。
どちらの問題も、塾講師を続けて教え方を工夫することで解決できます。
高学歴の人が時給が高いとは限らない
学歴が高いからといって、時給が高くなるという賃金設定をしている塾は少ないです。
たくさんの生徒から人気を獲得することで、授業のコマ数が増え結果的に高い賃金に繋がるという場合がほとんどです。
つまり、経験や実績、生徒からの人気が賃金に大きく影響を与えます。
実績を積むためには数日や数ヶ月の勤務では短すぎます。
少なくとも、半年から1年単位の積み上げが必要になると考えましょう。
目立って学歴が高くなかったとしても、上手に生徒に教えられればたくさんのお給料がもらえる可能性はあるので、塾講師としての実績が重視されます。
まとめ:結局塾講師にはどれくらいの学歴が必要なのか?
選択の幅から考えますと、四年制大学卒か、現在四年制大学に通っている、というのが無難なラインになりそうです。
高卒や短大卒だと選択肢が極端に減ってしまい、それが時給に影響します。
もちろんそれでも、教えるのが好きで情熱があるのなら問題はないでしょう。最初は安い時給でも実績を積み上げていくことで、時給アップも望めるでしょう。
そうではなく、「塾講師に思い入れはないけど、時給が高そうだから」というだけの人が、「学歴不問」の募集を探して塾講師をやろうとすると、「大変な割に、これだけしかもらえないの?」という結果になりかねません。
なぜかというと、「他のアルバイトに比べて時給がやや高い」程度では、実質的には他に比べて安くなってしまうことが多いからです。
授業の準備に時間がかかりますし、時間外に質問対応したり、採点や添削をしたり、復習プリントを作ったり、ということもありますので。
主に時給に注目して、塾講師をアルバイトとして選ぶのなら「四年制大学卒または現在四年制大学に通っている」という条件は必要と考えたほうがいいでしょう。
この条件を満たしていれば、選択肢が極端に減ってしまうということはなく、採用された後は、有名大学出身でなくとも塾講師としての実績で勝負できますので。
過去に大手進学塾で正社員(室長・エリアマネージャー兼任)として7年間働いておりました。
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