塾講師歴10年を振り返る―正直○○が大変でしたー
皆さんの身の回りには、塾講師のアルバイトや正社員の方はいらっしゃいますか。
また、自分から興味を持って、実際に働いている人の話や体験談を、見聞きしたことはあるでしょうか。
「大変だけれど、遣り甲斐がある」
「時給が良い、待遇面で優れており、出世もしやすい」
等々、何となく、興味を掻き立てられるポジティブなメッセージがある一方で、
「それって、本当なの?」
「実際、そんな甘い世界じゃないでしょ?」
と、疑問や、なんとなく不信感を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。
恐らく、この記事をご覧の方の中にも、上辺はいいから「リアルなことを教えて欲しい」と感じている方も少なくないと思います。
そこで、今回は、塾講師歴10年間を振り返り、「正直、これがしんどかった」という、業界の内情をランキング形式で、ご紹介していきます。
すべての塾に該当する訳ではないという前置きはしつつも、実際の体験談ですので、
「塾講師(正社員)のリアルな側面」
を垣間見ることができると思います。
皆さんの情報収集にお役立ちできれば、幸いです。
塾講師・正社員「辛かった仕事ランキング」
それでは、さっそく本編にて、辛かった業務をランキング形式で3つ、ご紹介していきます。
順位はあくまで個人的な意見に基づくものですが、実際、多くの正社員の方にあてはまる項目なのではないかと自負しています。
また、今回の内容は主に「正社員」に向けた内容となっておりますが、2位と1位に関しては講師であれば誰でも体験することなので、アルバイト希望の方も是非、記事を最後までご覧ください。
・第3位「ノルマの重圧」
・第2位「退塾」
・第1位「不合格」
第3位「ノルマの重圧」
第3位は「ノルマによる重圧」です。
ノルマに関しては、ある程度教室数の多い塾にしか該当しないかもしれませんが、塾が企業である以上、経営を維持していくためには、目標設定は必須事項です。
規模の大きな塾であれば、それが売上なのか、在籍数なのか、合格実績なのか、項目は塾によって異なりますが、基本的にはどこの塾でも「何かしらの数値目標」は存在します。
私が所属していた塾では、事業部で200以上の教室があり講師もアルバイトを含め1000名上の塾でしたので、ノルマ管理に関してはかなり厳重でした。
具体的なノルマの項目としては、
・在籍関連…体験生数・体験生の入塾率・在籍生徒数・退塾率・退塾数
・教務関連…実績(特定学校の合格者数)・教室全体の合格率
・講習関連…講習受講率・オプション講座申込率
等の項目がありました。
これらの項目に対する目標数値が毎学期、各教室へ割り振られ、
「毎月・毎週の会議にて進捗状況の報告」や、「不振時は改善プラン提出が必須」
といった業務が加わります。
また、全教室の成績が載った資料が毎日更新されるので、「自教室が社内全体で、どの位置にいるのか」一目瞭然です。
好調な時は、特に何も気にすることなく、伸び伸びしておりましたが、やはり、不調時は数字が頭から離れない時があるなど、ノルマとの付き合い方には苦労した記憶があります。
ただ、「もし、自分が会社を経営していたら」と考えれば、この手の目標管理はやって当たり前です。
ここをはき違え、「怒られないために仕事」をするようになってしまってはどんな仕事もつまらなくなると気付いてからは、良い意味で気にしないようになりました。
第2位「退塾」
塾が学校と異なり、教育サービス業であるからには、そこに通ってくれる生徒、選んでくださる保護者の方がいなくては、サービスは成り立ちません。
「全てのお客様に満足をしてもらうこと」がサービス業全般における共通の理想ではあるものの、現実的には難しい部分もあります。
ゆえに教室運営をしていれば、「退塾」はつきものであり、
長く勤めていれば「退塾を経験しない講師はまずいない」といって差し支えないでしょう。
生徒達が卒業以外で退塾してしまうケースにおいては、様々な理由があります。
・成績の伸び悩みによるモチベーションダウン
・部活や他の習い事が忙しくなり、通塾との両立が難しい
・その他、引っ越し、交友関係、講師とのトラブル、金銭面
等々、引っ越しや金銭面のように「仕方ない」場合もあれば、
「明らかにこちらに落ち度がある」又は「未然に防げた退塾」のケースも多数あり、
「一定数は出てしまうもの」
と割り切ってしまえれば簡単だったのですが、退塾ばかりは、真摯に受け止めて改善に努めること、これ以外に対処法がなく、何年経っても、慣れることができませんでした。
毎年学期終わりは、電話を転送するまでドキドキしていた記憶があります。
第1位「不合格」
これも「退塾」同様、塾が授業を主力商品として学習指導・受験対策をメインの売りとする以上は、「受験」と無関係でいることはできません。
受験においては、定員割れをしていない限り合格率が100%になることはなく、基本的にはほとんどの高校・大学が倍率1以上です。
これは、毎年必ずどこかで不合格者が出ることと同義であり、その該当者が
「自分が教えていた生徒になる可能性がある」ということを意味します。
言ってしまえば退塾以上に避けることが難しく、これこそ
「『仕方のない現象』として、受け止めないとやっていらない」
という意見もあるでしょう。
・不合格は、塾だけの責任ではない
・本番に力を発揮しきれなかった
・高校や大学合格だけが、人生の全てではない
これらの意見も、状況によっては、間違ってはいないと思います。
生徒が不合格となってしまった保護者の方とお話しても、責め立てられることは滅多にありません。
しかし、年間、何十万という授業料を頂きながら、成長、苦楽を共に乗り越えてきた生徒と「合格」を勝ち取れなかった無念は、一度も慣れることがなく、
「乗り越える」というよりは、「その子の不合格も背負いながら」翌年の受験へ立ち向かう感覚でした。
塾講師が、生徒の進路という「他者の人生に関わる仕事」であるということを、常に頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
まとめ
仕事をしていれば、「嫌なこと」や「できればしたくない業務」には必ずどこかで直面します。
私の場合は、今回ご紹介した3つの項目がトップ3でした。
苦々しい体験、数々の失敗を乗り越え、徐々に講師としても成長できたと自覚していますが、
「こんな思いは二度としたくない」それが原動力だったかもしれません。
今回の内容はこれで、以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
過去に大手進学塾で正社員(室長・エリアマネージャー兼任)として7年間働いておりました。
教育、受験業界に関して、専門的な知識があります。
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