「コマ給」とは?
コマ給とは、「1コマあたりいくら」でアルバイト・パートなどの給料を計算する方法で、塾講師や家庭教師によくあるタイプの賃金形態です。 1コマ=1授業となり、例えば週に3回授業をしたとしたら「コマ給×3」がその週に稼いだ額、「コマ給×3×4」がその月の収入となるでしょう。 「授業をどれくらいやったか」がそのまま給料に反映されるため、計算しやすくわかりやすい給料体系です。 1コマがどれくらいかは塾や学年によって異なり、小学校低学年だと1コマ45分や60分、高校生向けの予備校になると1コマ90分程度が目安。 塾同士で給料を比較する際は、コマ給のまま比較するのではなく、面倒でも一度時給に直してから比べるようにしましょう。 同じ「1コマ2000円」でも、以下のように時給にすると異なってきます。 ・1コマ80分の場合 2000÷80×60=1500(円) ・1コマ90分の場合 2000÷90×60=約1333(円) 求人情報で見ているうえでは「多少の授業時間の差なんて大したことないよ」と思いがちですが、たった10分違うだけで時給換算すると150円以上違ってきます。時給と比較するときの注意点
塾同士ではなく、もともと時給で表示されている飲食店のアルバイトなどと比較するときは、単純に「時給あたりの金額」だけで比較しないようにしましょう。 というのも、比較的柔軟にシフトを組める飲食店と異なり、塾は「1コマずつ」でしかバイトに入れないからです。 例えば、以下のように時間割を組んでいる塾があるとします。 この場合、「18:00~22:00で働きたい」と考えても、塾では2限目と3限目の2コマ分しか働けません。 1コマ2000円だとすると4000円ですね。 もし飲食店の時給が1100円とすれば、18:00~22:00のあいだ働けば4400円になります。 塾バイトの単価は高いものの、時給と同じように考えると「そこまで稼げなかった」ということもありますので注意しましょう。コマ給の問題点
わかりやすく計算しやすい「コマ給」ですが、実は様々な問題点もあります。 バイトを始めてから「聞いてない!」とがっかりしないように知っておきましょう。授業時間以外のお金が支払われない
コマ給は単純に「授業を何コマ行ったか」で給料を計算します。 つまり、授業以外の「研修」や「授業準備」、「カリキュラム作成」などの時間は無給になってしまうのです。 つまり、頑張ってテストを作ったり、しっかり下調べしながらカリキュラムを組んでもそれはお給料には反映されないということ。 授業後の指導レポートなどを書く時間も対象外ですし、授業後に質問に来た生徒に捕まって1時間拘束されてしまった……という場合でもお金はもらえません。 1つ1つは10分〜20分程度のものでも、1週間、1ヶ月間と積み重なればかなりの時間になります。残業手当がなくなりがち
一般的にバイトでは「1日ずつのお給料」をすべて足して給料計算が行われます。 もし1日あたり8時間を超える仕事をしていた場合は、「残業手当」などの名目で8時間を超える分の給料については割増金額が適用されます。 簡単に言えば、「8時間以上働いた場合は、8時間目以降の時給がアップする」ということ。 しかし、塾の場合は1月ごとに「何コマ分の授業を行ったか」でお給料を計算します。 コマ給×指導コマ数だけで計算してしまうため、1日あたりの稼働時間は8時間以上あっても、残業代がついていない場合があるのです。塾講師バイトが「安い」と言われるのはコマ給のせい
塾講師バイトは高時給なのに、「安い」「割りに合わない」と言われがちなのはコマ給が理由です。 塾での仕事は、単純に授業をするだけでなくその準備やテストの採点、質問対応など様々あります。 それらにも時間を取られるのに、コマ給だと授業をした分しかお給料は出ません。 授業前後の拘束時間でコマ給を時給換算すると、思ったほど高い時給ではなくなってしまう場合も。 それどころか、生徒のために手のこんだ教材を準備したり、しっかりと考えながらカリキュラムを組もうとしたりするほど時間がかかり、実質的な時給はどんどん下がっていってしまうのです。 授業準備に時間をかけたり、積極的に研修に出たり雑用をしたりする「熱心な先生」ほど時給で見たら低くなってしまうため、「頑張ったのにお給料が増えないなんておかしい」と思ってバイトを辞めてしまう先生もいます。ブラックなコマ給の塾は減ってきている
問題が多いコマ給ですが、最近では大手の塾を中心に「事務作業にもコマ給とは別に時給を支払う」などの、コマ給だけではない給料形態を取り入れるところも増えてきています。 大きく分けて、以下の3つの形があります。
・コマ給+事務作業時には事務給などが発生
・「授業準備や片付けまで含めて1コマ」とするコマ給
・完全時給制
コマ給と事務給の併用バージョンの場合、研修や生徒の質問対応などをした分は「事務給」と言ってコマ給よりも低めの時給で給料が計算されます。
塾によっては、「生徒のカリキュラムを作ったら500円」など、時間ではなく成果ごとに手当がついている場合も。
そんなに高い時給ではありませんが、がんばった分だけしっかりとお給料に反映されるのが嬉しい点です。
「授業準備や片付けまで含めて1コマ」のタイプであれば、定められた時間(例えば授業前後10分ずつなど)までコマ給となります。
一見今までのコマ給とは大差ないように見えますが、「前後の作業時間」に対して厳しくなっているのが特徴。
このタイプの塾は残業や早出がほぼないことが多いので、きっちり時間内で稼ぎたい人におすすめです。
また、数は少ないものの完全に時給制の塾も存在します。
この場合も、自分ががんばった分がお給料に反映されますし、事務作業だからといって時給が低くならないのが特徴。
事務給などがある塾の場合は、求人時に書いてあることがほとんどです。
よくわからなかったら、面接時などにどのような給料形態なのかを聞いておくようにしましょう。
クリーンな塾で楽しく働こう!
「楽しく塾で働こう!」と思っても、自分の想像とお給料が違っていたらがっかりしてしまいますよね。 それをなくすためにも、まず塾で採用されがちな「コマ給」の仕組みと、ブラックなコマ給を避ける方法を知っておきましょう。 生徒の成績をしっかり伸ばすためには、長く安心して働ける環境であることも大切。 「お金のことは聞きづらい」と思うかもしれませんが、採用前に気になることがある場合はしっかりと聞いておくようにしましょう!関連記事
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