初めての授業のポイント・準備編
最初に紹介するのが、授業の前段階となる「準備」の時に気をつけたい点。 良い授業には、万全の準備が欠かせません。予習は使うテキスト以外も
授業を成功させる上で最も大事なのは「予習」です。 予習することで、授業中に生徒がつまずきやすい部分や、「これだけは覚えて帰ってほしい」大切な部分がわかります。 最初は生徒と同じように問題を解いてみるのが「より良い予習」をするコツ。 最初から答えを見てしまうと、生徒のつまずきポイントを見逃してしまったり、より簡単な別解に気づかないことがあるからです。 また、授業で使うテキストだけでなく、他のテキストにも目を通しておくといいでしょう。 使うテキストには載っていなくても、覚えておいたほうが良い知識があったり、違ったタイプの類似問題が載っているかもしれません。 また、例えばこれから授業する単元の前提となる知識(例えば、二次関数を教えるとしたら1次関数や方程式の知識がベースにないといけませんよね)がある場合は、その単元も確認しておくといいでしょう。 生徒がその部分を忘れていたらおさらいをする必要がありますし、比較して話すことでよりわかりやすい授業にもなるからです。模擬授業で時間配分を知ろう
授業を成功させるためには、「わかりやすくまとまっている授業であること」も大切です。 途中で授業が終わってしまったり、テキストの説明をそのままなぞっているだけのわかりにくい授業ではいけません。 最初は模擬授業で授業の雰囲気や時間配分、板書の書き方を覚えるのがおすすめ。 塾長や塾講師の先輩に頼んで、自分の授業を見てもらいましょう。 難しければ、スマホなどを使って自分の授業を録画してもOK。 授業の基本構成は以下のようになります。
・導入
・例題
・練習問題
・練習問題の解説
・まとめ
この要素が全部1授業の中にピッタリと収まるように時間配分を考えましょう。
「導入」の時に「今日の目標」を伝え、最後の「まとめ」の時に目標の復習をするとうまくまとまりやすくなります。
引き継ぎで情報を手に入れよう
以前その生徒やクラスを担当していた先生がいればその先生に、初めてのクラスであれば塾長に生徒の情報を聞いておきましょう。 学校ではどれくらいの成績か、それまではどのように授業を進めていたか、などの勉強面の情報も大事ですが、どんなタイプの生徒がいるか、生徒の趣味や部活はなにかなど、仲良くなれそうな情報も一緒に聞いておくと打ち解けやすくなります。初めての授業のポイント・授業編
次は、実際に授業を行う時に気をつけておきたい部分を紹介します。 「この先生は自分たちに向き合って授業してくれているんだな」と思ってもらうために重要な部分になります。大きくはっきりとした声で
大きい声で話していると、それだけで自信があるように見えるもの。 自信がない先生には誰にもついてきませんし、声が小さくて生徒に聞こえないようだと授業している意味もありません。 初めての授業で自信がないかもしれませんが、はっきりと大きな声で、生徒の方を見て授業するようにしましょう。 また、「初めての授業だから……」なども「大丈夫かな?」と思わせてしまう原因になるため、生徒には言うべきではありません。 「前からずっと塾講師していたよ!」という雰囲気で、堂々と生徒の前に立つようにしましょう。生徒への質問を意識して行う
時間配分通りに授業を進めようとばかり意識していると、どうしても独りよがりの授業になってしまいがち。 生徒を置いてけぼりにした授業をしないためにも、生徒への質問や声がけは意識して行うようにしましょう。 ただし、その時「わかった?」「大丈夫?」と聞いてしまうのはNG。 実際にはわかっていなくても生徒はつい「うん、わかった」と言ってしまいがちだからです。 「じゃあ、Aだったらどうなる?」などクイズ形式の質問にすれば、生徒が確実にわかっているかどうかを確かめられます。「予想以上に早く/遅く進んだ時」の対応を考えておく
いくら模擬授業で練習していても、授業が予定通りに進まない場合もあります。 生徒がその単元の説明をすぐに理解し、問題を全部間違えずに猛スピードで解いてしまったり、逆にそれ以前の単元でつまづいているために全く今回の内容がわからない……などというときです。 初めてだと特に生徒がどのくらいのスピードで理解するのかを知らないため、予想より早く進んだり遅くなってしまったりすることはよくあります。 そんな時に「どうしよう!」と焦らなくていいように、ある程度その日の授業スピードに合わせて調節できるようプランを練っておきましょう。 「授業が早く進むようだったら、本当は扱わない予定だった演習問題の2まで解いてもらおう」「間に合わないようだったら、この問題は飛ばして、宿題にしよう」と考えておけば、いざというときも焦らずにすみます。初めての授業のポイント・生徒対応編
最後に、授業以外で重要なのが生徒への対応。 「楽しそうな先生だな」「優しそうな人だな」と思ってもらえるコツを紹介します。笑顔を忘れずに
緊張すると笑顔がなくなってしまいがち。 しかし、笑顔がないと「怖そうな人」と思われてしまいます。 むやみにニヤニヤする必要はありませんが、授業中や挨拶をするときは笑顔を意識するようにしましょう。 また、笑顔だけでなく話し方にも注意が必要です。 はっきりと大きな声は塾講師として大切なのですが、話し方や声色によっては「怒鳴られているみたいで怖い」と感じてしまう生徒もいます。 親しみやすく、ハキハキとした明るい喋り方を心がけましょう。生徒の名前を覚えよう
生徒と早く仲良くなるためにも、できれば授業前に、そうでなくともできるだけ早く生徒の名前を覚えましょう。 席順などが決まっている塾なら「どの席がどの生徒」と表を作ってもいいですし、そうでない場合は髪型などの特徴をメモしておくと覚えやすくなります。 挨拶するときや授業中に質問するときなどに名前を呼ぶと、生徒が「私のことを覚えてくれているんだ!」と思うため、心の距離が縮まります。 ただし、仲良くなろうと変にあだ名などをつけたり、名前を呼び捨てにしたりしてはいけません。 あくまでも塾の先生と生徒ですので、その立場はわきまえるようにしましょう。最初の授業を成功させよう!
塾講師デビューとなる最初の授業は、講師本人にとっても生徒にとっても印象深いものになります。 だからこそ、最初の授業を成功させれば自信が身につきますし、生徒からの信頼関係も構築しやすくなるのです。 最初の授業は、先生だけでなく生徒も「どんな人が来るのかな……」と不安なもの。 「この先生で良かった!」と安心してもらえるよう、親しみやすい笑顔とわかりやすい教え方を心がけましょう!レア求人・スカウトメールの通知を
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