結論:学力は指導スキルの補助であり、中核ではない
結論から言うと、共通テストで何点取ったとか、どこの大学かといった講師自身の学力は、塾講師の評価の一面でしかありません。 なぜなら、塾講師に求められるのは生徒に問題の解き方を教えることよりもむしろ、生徒からの相談に対して親身に応じたり、生徒が安心して勉強に打ち込める環境を作ったりしてあげることだからです。 実際、誰もが知る有名国公立大学の学生であるにもかかわらず、生徒とのコミュニケーションがうまく取れずにやりがいを感じられない先生も多いです。 すなわち塾講師としてもっとも重要な能力とは、生徒とコミュニケーションを取り勉強へのモチベーションをアップさせることであって、講師自身の学力はそこまで重要ではないのです。塾講師バイトのハードルが高い理由
塾講師にとって学力はそこまで重要ではなく、いかに生徒コミュニケーションを取ってやる気を持続させるかが講師の醍醐味であることは前の章でお分かり頂けたことと思います。 しかし、そもそもなぜ塾講師のハードルは高く感じられるのでしょうか。 確かに世の中には講師をすべて東大生・京大生・医学部生で固めてブランディングし、講師の「高学歴を謳っている塾もあります。 とはいえそのような塾はごく一部であり、多くの塾では在学・出身大学がどこであろうと採用試験を受けられます。報道による偏見
大学に合格していれば本当は誰でもなれるのに、高い学力がないと塾講師が務まらないイメージがするのは、学力の高い講師がメディアなどで目立ってしまうことが原因のひとつです。 テレビでよく取り上げられる塾・予備校の名物講師は非常に頭の切れる方々で、難関大学の入試問題を鮮やかに解説しています。 そういった一部の秀才講師はメディアにとって格好の素材ですが、塾講師として働いてみようというモチベーションを刺激することは少ないでしょう。 塾講師は頭が良くて当然と誤解し、塾講師なんて自分にはできないだろうと諦めてしまう大学生が増えるのです。筆者がバイトで出会ってきた塾講師たち
筆者は講師として実際にいくつもの塾で勤務してきましたが、あまり有名ではない大学の学生が塾講師としてイキイキと働いている様子を何度も見てきました。 あるいは、学力に自信はないけれど優しくて親しみやすく、生徒からも信頼されるような先生にもたくさん出会いました。 そのような講師をもっと報道すれば塾講師をやりたがる人が増えて、塾業界も盛り上がるのにと思っています。ズバリ、活躍の場は個別指導塾
塾講師に学力はそこまで関係ないと説明しましたが、そうはいっても塾によって求める人材の相性は確かに存在します。 学力にあまり自信のない大学生でも塾講師として圧倒的に成功しやすいのは、ズバリ個別指導塾です。苦手だったからこそ苦しんでいる生徒の気持ちがわかる
個別指導塾は学校や集団塾の授業についていけない生徒が学習サポートを求めて訪れるケースがほとんど。 先生自身が受験で苦労した経験を分かち合ったり、勉強がつらいときにどうやって心を立て直すかといった親身なアドバイスができるはずです。 そのため、比較的学力に自信がない先生だからこそ勉強の苦手な生徒が心の拠り所、よきアドバイザーとして必要とされるケースは非常に多いのです。多くの集団塾はある程度の学力がないとミスマッチ
逆に、集団指導の塾は学校の授業だけでは物足りない生徒や、志望校合格に向けてハイレベルな指導を受けたがっている生徒が来ています。 たとえば、とある難関高校に合格したくて十分にモチベーション高く努力している生徒が、入試問題の解説を聞きたくて集団塾に来ていたとしましょう。 そこで教える講師が入試のエキスパートではなくチグハグな解説ばかりしていては、生徒と講師の間で需要と供給が成立していませんよね。 人それぞれ得意な分野があるため、私立トップ高校や難関大学を目指すような学力層の生徒は勉強の得意な先生に任せればよいでしょう。 塾講師に限らず、苦手なことにこだわって消耗するよりも、自分の持ち味を活かして精力的に働いたほうが成果に繋がりやすくなります。塾の合格実績はバイト探しの参考にならない塾
学力に自信がなくても個別指導塾なら活躍できる場合が多いとお伝えしましたが、ひと口に個別指導塾といっても生徒の学力水準は塾によって様々です。 ハイレベルな学力を求められるところは当然ありますが、見分ける方法はあるのでしょうか。 筆者も複数の個別塾で勤務した経験がありますが、求人サイトに「学校のフォロー」など簡単には書いてあっても具体的にどの程度のレベルが求められるかは勤務してみないと分かりません。 とはいえ塾を探す上で参考になる事実はあるので、ここでは一見ハードルが高そうに見えて実はそうでもないパターンをご紹介します。合格実績に載る生徒は教室の中でも上位数人
塾のレベルを必要以上に高く見せてしまうものは生徒の合格実績ですが、講師に求められる学力レベルに必ずしも比例しません。 よく旧帝大や早慶・関関同立など有名大学の合格実績をここぞとばかりにチラシ掲載している塾を見かけます。 けれども実際に塾で勤務していた経験から言えば、それはただ難関大学に合格した生徒だけ取り上げているだけであり、そこまでの指導ができる先生は教室に少数いれば十分です。 もちろん個別指導塾であっても難関大学に合格するような生徒は一定数やってきます。 なぜなら受験勉強、こと大学受験においては試験の形式・レベルが大学によって本当に幅広いため、高校の授業だけではとても対応しきれません。 そこで難関大学を目指す生徒は自分の弱点を分析したり志望校に特化した対策を行うために個別指導塾を選ぶのです。 とはいえ、やはり多くの個別塾では大多数の生徒が勉強自体に不安を抱えている子どもたちです。 皆様を必要としている生徒がきっといるはずですから、難関大学への合格実績を掲載している個別塾にも臆することなく応募してみましょう。まとめ
この記事では、塾講師のアルバイトに興味があるものの学力に自信がない方に、学力を気にせずチャレンジできる理由を解説してきました。 学力の高い先生は確かに目を引きますが、果たして塾の生徒が求めているのは華麗に問題を解き、鮮やかな解説を披露できる先生でしょうか。 おそらくそうではなくて、不安な気持ちや悩みに寄り添ってくれたり、先生自身の苦労した点を飾らずに話してくれたりして、生徒自身が頑張ろうと思えるような先生こそ、塾講師に相応しいのではないかと筆者は思います。 学力の高い講師を求める生徒は、学力の高い講師に任せましょう。 個別指導塾を中心として、学校の勉強についていけず心細さを抱えながら塾に通っている生徒はたくさんいます。 持ち味を活かしてのびのびと働ける塾と出会い、講師として数ヶ月も働けば本当に学力なんて関係いのだと実感して頂けることと思います。関連記事
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