前回(第3話)のあらすじ
ある日、木村先生が大慌てで講師室に飛び込んできた。 前田花恋と母親がルトワックに入っていくのを見たと言う。 講師たちは「成績トップの花恋が転塾か?!」とざわめきたつが、黒木は転塾を考えるのは彼女だけではないので、放っておくようにと言う。 一方、母親と一緒にルトワックを見学した花恋は、灰谷先生から成績トップのSクラスへの編入を約束され、大喜びで体験授業を申し込んだ。 しかし、体験授業に参加した花恋は、早速初日にレベルの高さに圧倒されてしまう。 2日目にはクラス最低点を取りショックを受け、講師から名前も覚えてもらえず、自分はその他大勢のひとりであることを実感して、悔しくてたまらないのだった。 なんとかルトワックでトップになりたいと、毎晩遅くまで勉強する花恋。 心配した母親も止めようとするが、言うことを聞かず勉強し続ける。 そしてストレスから、自分の足にシャーペンで傷をつけてしまう・・。 ある日、偶然公園で花恋を見かけた佐倉。 花恋の足に付いた傷あとに気付き、どうしたのと花恋に声をかけるが逃げられてしまう。 その様子を聞いた黒木は、学校帰りにトボトボと歩く花恋に近づき話しかける。 かなり疲れた様子の花恋に飲む点滴だと言って甘酒を手渡し、ルトワックは出来る子だけを優遇する塾だと話す黒木。 花恋は体験授業での数々の悔しい出来事を思い出し、涙ぐんでしまう。 そこにティッシュを差し出し、「花恋は女王になれる場所でしか輝けない。花恋は女王様だ。花恋の席、空けて待っているよ」と伝えた。 次の授業で、花恋は何事もなかったかのように桜花に戻ってきた。 そして復帰初回のテストでさっそく100点、クラス1位! 花恋の周りには、オメガクラスの生徒が集まってきた。 やはり桜花は花恋にとって、女王になれる場所のようだ。 場面は変わり、「黒ちゃん」と呼ばれる黒木はスターフィッシュの中へ・・。 中では、意外なことに、さまざまな年齢の男女が高校受験に向けて勉強をしていた! 生徒たちに、桜花で見せる顔とはまったく違う、にこやかな表情で勉強を教える黒木だった。第4話のネタバレ・あらすじ
ゴールデンウィーク特訓の申し込みが始まった桜花ゼミナール。 ほかのクラスは続々と申し込みを済ませる中、まだ3名が申し込みをしていないRクラス。 「成績がふるわないRクラスは、絶対に全員受講させるように」と、佐倉は黒木から圧をかけられる。 そして、とうとう申し込みをしていないのは武田君だけとなった。 ゴールデンウィークは毎年、ディズニーランドへ家族旅行に行くことになっているのだ。 その頃武田家では、ゴールデンウィーク講習を受けさせたい母親が父親に講習の相談をするが、父親はろくに話も聞かずスマホゲームに熱中。 しまいには、「講習会の費用を追加で払うなんて聞いてない!」と言う。 武田君の母は悩んだ末、「夫と意見が合わず、ゴールデンウィーク講習は受けさせない」と塾に連絡した。 その話を聞き、明日両親を呼んで受講するように説得しろという黒木だが、佐倉は、オプション受講の特別講習を無理して申し込ませる必要はないのではと反論する。 すると黒木は、代わりに桂先生に面談を依頼。 面談で桂先生は、「ご夫婦の意見が合わないと中学受験は失敗します。息子さんのためにも、ここはなんとしてもご主人を説得してください」と母親に話すのだった。 場面が変わり、算数のテスト成績がふるわないRクラスについて、「偏差値を一気に上げる方法があります」と佐倉に伝える黒木。 「前半の難易度が低い問題もケアレスミスで不正解が続いているため、テストは前半の半分だけやれば良い、後半は解く資格がない」と語る黒木に反発する佐倉だったが、「Rクラスの算数は明日から私がやります」と黒木に宣言されてしまう。 そして武田家では、相変わらずスマホゲームに夢中な父親に対して、「ゲームに毎月課金する余裕があるなら、自分の子供に課金してよ!」と不満をぶちまけ、「これから塾の費用は、私が残業して払います」と母が宣言。 不満そうに、ゴールデンウィーク講習の費用を払いに来た武田君の父親を黒木が呼び止め、面談が始まる。 佐倉が慌てて駆けつけると、そこにはスマホゲームの話で盛り上がる2人の姿が。 スマホゲームの課金から、中学受験の課金へと話をつなげる黒木の話術に父親は乗せられ、講習の費用を気持ちよく払ったのだった。 Rクラスでは、黒木が算数を担当するようになり、それまでと比べると算数の点数が全体的に伸び始めていた。 佐倉に、「ごめんなさい。今までは算数の答えを写していたけど、これからは自分で宿題をやることにしたんだ」という武田君。 テストの点数が上がって、やる気が出てきたようだ。塾講師目線の感想・レビュー
今回は、特別講習への申し込みをめぐる武田君親子のエピソードが中心でしたが、胸に刺さる場面がいくつもありました。 その中から2点、お話ししていきたいと思います。 武田君のお父さんがスマホゲームに課金して熱中するという話から、「中学受験は課金ゲームだ」という言葉がありました。 課金、つまりたくさんのオプション講習に申し込みをしたり、家庭教師や個別指導をお願いすることでレベルアップ(=成績を上げる)していくということなのでしょうが、確かに6年生になると、通常の塾に加えて個別指導などを追加していくご家庭も見られます。 最初の方で桂先生がお話しされていましたが、多くの中学受験塾、とくに6年生は多額の費用がかかります。 毎月の月謝に加えて、春夏冬の季節講習。塾によっては合宿や正月特訓、ゴールデンウィーク特訓など。 桂先生が6年生の1年間で132万円必要だと言われていましたが、家庭教師や個別指導を追加した場合はもっと高額になります。 では、各種の講習や合宿にすべて参加すればよいのか?と聞かれたら、ご家庭の経済状況や子どもの性格や能力、精神的な成長によっても「オプションに課金」した方が良いのかは変わってきます。 塾は営利企業ですので、オプション受講を勧めてくる場合が多いでしょうが、親御さんは本当に我が子にとって必要かどうか、冷静に判断したほうが良いですね。 また、黒木先生が「算数を制するものは受験を制する」と言うシーンがありました。 たしかに中学受験では、算数の点数に差が付きやすく、合否に影響する傾向があります。 大手模試などでも、国語が150点、理科社会が100点満点なのに対し、算数は200点満点となるなど、算数の得意不得意が全体偏差値に大きく影響してきます。 算数の問題は1問ごとの配点が大きいことや、理解して実際に自分で解けるようになるまでにある程度の時間が必要なため、得意な子と不得意な子の差が付きやすいのです。 近年、理系教育に力を入れている私立中学校では、「算数1科目入試」を実施し、算数が得意な子に入学してほしいとアピールしていたりもします。 このようなことからも、入試までに時間があるのであれば、ぜひ算数には力を入れて勉強して、できるだけ得意科目にされることをお勧めします。関連記事
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