【塾講師目線で解説】二月の勝者ドラマ第10話最終回ネタバレと感想まとめ
前回(第9話)のあらすじ
受験本番まであと3ヶ月。志望校を正式決定する時期がやってきた。
桜花ゼミナールでは、生徒たちからの志望校提出と模擬テストの結果をふまえ、受験校検討会が行われた。
偏差値68の前田さんや島津君が、桜蔭や開成を第一志望とするなど順当に検討会が進んでいく中、偏差値37の今川理衣沙さんの第一志望は、偏差値62の吉祥寺女子だという。
黒木は佐倉に、母親に面談を申し入れるようにと伝えた。
母は面談で、自宅での過去問演習で吉祥寺女子の合格最低点を超えたという話をして、佐倉を驚かせる。
それを聞いた黒木は、
「間違いなくカンニングだ。恐らく、書店で過去問を見て答えを丸暗記しているのではないか?」
と言い、親に知らせずに事態を解決するよう佐倉に伝えた。
授業の過去問演習中、吉祥寺女子の問題が解けずに、解答用紙にバツをつけ続ける理衣沙。
この時期にカンニングなんてショックという佐倉に、「この時期だからこそよくあること」と言う木村先生。
木村先生も小学生時代、受験前にカンニングをしたことがあったのだ。
親の喜ぶ顔が見たい、怒られたくないという理由でカンニングをしてしまうのは、幼さゆえの未熟な行為だが、子供が精神的に追い込まれているということだ。
ただ、このままだと全落ちしてしまう可能性があると話す木村先生に、佐倉は同意する。
佐倉は1月の前受け校として、理衣沙が合格できそうな学校とその過去問を探し始める。成功体験を積ませたかったのだ。
翌日の授業で、佐倉が選んだ学校の過去問を調子よく解いていく理衣沙。
初めて自力で合格最低点を超えたことが嬉しく、泣いて喜んだ。
その学校を第二志望として受験することに決め、表情が明るくなったようだ。
場面は代わり、佐倉は教員時代に生徒対応がうまくいかず、彼女たちから恨まれてしまった出来事を思い出していた。
佐倉は黒木に向かってこう伝えた。
「子どもたちの将来を考えて寄り添っているつもりだがうまくいかない、失敗したり苦しめたり。黒木先生はすごいと思います」と。
それに対して黒木は、「私も分かっていません」と答えた。
黒木は以前、ルトワックで偏差値が高い学校に生徒を送り込むことが自分の使命だと思っていたが、無理をして合格させた生徒が授業についていけず不登校になり、家族がバラバラになってしまったことがあったのだ。
「良かれと思ったことが人生を潰してしまい、教壇に立つことが怖くなりました。それでも学びとは何かを知りたいから、スターフィッシュや桜花でそれを探しています」と佐倉に話す黒木だった。
第10話、最終回のネタバレ・あらすじ
1月、いよいよ埼玉や千葉などの学校で入学試験がスタートした。
予行演習とはいえ、模擬試験とは違う本番の雰囲気に緊張する子たちを受験会場前で励ます桜花の講師たち。
黒木は、急遽島津君が受験することになった海王中に応援に向かった。
応援を期待していなかった島津君だったが、黒木の姿を見つけて思わず駆け寄る。
武者震いする島津君の様子に、黒木は合格を確信。
そして、島津君は偏差値70の難関を見事に突破し、海王中の特別給費生に合格。
幸先の良いスタートを切った。
その後も、桜花の生徒たちは続々と1月校に合格し、2月の本番に向けて弾みをつけたのだった。
受験本番の前日、1月31日。生徒たちに最後のエールを送り、講師たちも翌朝に備えて帰宅。
しかし、佐倉は教室にまだ明かりがついているのに気づき中をのぞく。
すると、黒木がひとり、頭を抱えて体を震わせていた。
「毎年この日は心が打ちひしがれ、震えが止まらなくなります。自分が子どもたちに言ってきたことが正しかったのだろうか、一人ひとりの顔が思い出され・・」と語る黒木。
佐倉は「自分もこれほど子どもたちの未来を思って向き合ってきただろうか、震えるほど真剣に祈ったことがあっただろうか」と思うのだった。
そしていよいよ、2月1日。受験会場に講師たちが応援に駆けつける中、生徒たちの入試本番が始まった。
前田さんは無事桜蔭合格、直江さんと柴田さんは2人とも二葉女子学院合格、成績が急上昇した加藤くんは、鉄道研究部のある海堂中へ合格など、次々に朗報が飛び込む。
そして、開成合格発表の日。残念ながら上杉君は不合格だったが、島津君は合格。
黒木はひとり、別室で喜びを爆発させた。
その声が講師室にも伝わり、微笑む先生たち。
上杉君やカンニング疑惑のあった今川さんも、それぞれの希望校に合格した。
6年から受験を始めた三浦君は、希望通りサッカーの強豪校に合格。
将来お花屋さんになりたい浅井さんは、園芸部のある中学校に合格した。
そしてしばらくして、合格祝賀会が開かれた。
島津君は黒木を別室に呼び、「先生のおかげで、開成を諦めずに受験できた」と感謝を伝える。
そして開成には入学を辞退したこと、都立一貫の有名校である大石山中に進学することを話した。
「海王、開成、大石山も合格して、桜花に最高のプレゼントでしょ」と笑顔で話す島津君に、「君は最高の男です、おめでとう」と握手を交わす2人。
場面は代わり、スターフィッシュの合格祝賀会へ向かう黒木と灰谷。
スターフィッシュの子が都立中に2名合格したのだ。
灰谷は黒木に「あの子たちは黒木先生に、学びの喜びを教えてくれるのではないでしょうか」と伝える。
黒木はそれに同意し「受験で合格することが最終目的ではない。受験を通して学ぶ喜びや、己に克つことの尊さを知ったものが未来を切り開いていく。それを子どもたちから学んだ」と語った。
そして桜花では、受験終了の余韻に浸る間もなく新年度の募集が始まった。
最高の合格実績を叩き出した桜花には、入塾希望者が殺到。
しかし、そこに佐倉の姿はなかった。
1年間の桜花での経験を通し、再び中学教員としてやっていこうと決意したからだった。
塾講師目線の感想・レビュー
とうとう最終回、受験本番となりましたね。
コロナウイルスの流行をきっかけに昨年からは行われていませんが、それまでは受験当日の朝、受験会場で講師たちが生徒を激励するのが恒例でした。
島津君が海王中学の受験で、黒木先生の姿を見かけて思わず駆け寄るシーンがありました。
試験会場で慣れ親しんだ塾の先生を見つけて、少しでも言葉を交わしたり握手をしたりすることで、安心して試験に臨める子も多いのでしょう。
真冬の寒い中、朝早くから応援に駆けつけるのは大変な面もありますが、少しでも子どもたちに元気と安心を与えられるのであれば・・と思います。
生徒たちは受験本番、全力を尽くし、ヘトヘトに疲れます。
特に2月1日は午前午後、移動して2校受験となるケースも多く、想像以上の緊張や疲れから体調を崩す子もいますし、思ったようにできなかったと落ち込んでしまう子もいます。
2月1日から3日にかけてが入試のピークですが、多くの生徒は1日に第一志望校を受験します。
受験当日に合否がわかる学校も多いため、1日の夜に合格して終了というケースもありますが、不合格の場合は翌日も朝早くから受験校に向かうことになります。
この時期、親御さんも緊張やストレスで眠れないという話をよく聞きますが、精神的にもとてもハードです。
皆が第一志望校に順調に合格すれば良いのですが、そうはいかないのが中学受験です。
塾では、実力を出しきれず落ち込んでいる子や、思わぬ不合格で動揺している子がいれば、受験後に塾に立ち寄ってもらい、直接話をするようにしています。
翌日の試験を前に、少しでもメンタルを回復させて、スッキリした気持ちで次の受験に臨んでほしいからです。
黒木先生が言われていた、「受験で合格することが最終目的ではない。受験を通して学ぶ喜びや、己に克つことの尊さを知ったものが未来を切り開いていく」というセリフは、胸に刺さるものがありました。
確かにその通りだと、長い人生を歩んできた大人であれば、誰しも実感するものがあるでしょう。
しかし、多くの子が3年間という長い時間を受験勉強に費やしてきました。
中学受験は通過点だとしても、合格を信じて頑張ってきた子どもたちの希望校合格を願わずにはいられません。
現実の世界でも、もうすぐ1月受験が始まります。受験生の皆さん、頑張っていきましょう!
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