元塾講師の経験者が語る、塾講師の正社員事情

この記事では、正社員の塾講師として、就職や転職を目指している方に向け、下記の内容をまとめてあります。
この記事で分かる事
● 実際の実務経験を踏まえた塾業界の「最新情報」 ● 塾業界の「舞台裏」に関する情報 ● 塾講師の仕事内容 ● 就職する前に必要な準備 ● アルバイトとの業務内容の違い
実際に働いてきた経験から具体的に解説していきますので、就職活動の一環としてお役立てください。 スカウト申し込みバナー

1.「塾講師」ってどんな仕事?

塾講師正社員 「塾講師」と聞くと、真っ先にイメージとして浮かぶのは、黒板やホワイトボードの前に立ち、授業をしている姿ではないでしょうか。 この記事をご覧になっている方にも、かつて自分が生徒だった頃、塾に通った経験がある方も多くいらっしゃることでしょう。 実際、どの塾にとっても、塾講師が提供する「授業」が一番の主力商品であり、指導力のある講師がいない教室は実績を上げることができないため、やはり「授業」が主たるサービス内容であることは間違いありません。 しかし、「授業だけ」に専念できるという認識でいると、正社員として就職した場合、大きなギャップを感じることになるため、注意が必要です。 そのため、事前に正しい知識を学び、数ある塾の中から、自分の理想に近い形態の塾を選べるようにしていくことが重要になります。 ここから先の内容をご覧いただければ、ある程度の方向性を定めることができますので、是非参考にしてみてください。

塾のパターンについて知ろう

まず、正社員への就職に際し、必ず抑えておくべきポイントは塾の種類を把握することです。 塾には、大きく分けて「個別指導塾」と「集団指導塾」の2パターンに分かれます。 昨今のトレンドで言うと、「個別指導」の需要は年々、増加傾向にあり、実際、首都圏の駅前を眺めていると、以前よりも個別指導を掲げる大手塾の看板が目立つようになりました。 少子化が国内の大きな課題として話題に上る一方、子供一人に対する養育費は高止まりしているため、一人一人に手の行き届いた個別指導を希望する保護者が増えてきていることが、その一因となっています。

実際に働くべきなのはどっち?

では、正社員として働く場合、将来的に高いニーズを維持できそうな「個別指導」を選択すべきか、というと少し話が変わってきます。 というのも、各都道府県によって、知名度のある大手塾は様々ですが、そのほとんどが「個別」と「集団」どちらも事業部を設定している現状があります。 よって、「個別」か「集団」かという二者択一というより、就活目線で考えると、「大手か」「個人塾か」をまず最初に判断基準にする方が賢明ということになります。 大手塾の場合、最初に事業部の希望を聞かれることが多いものの、入社後に異動を希望すれば、比較的かんたんに部署異動をすることができます。 大手塾は待遇や福利厚生、将来性と言う観点から、業界内でも人気となるため、ハードルは高くなりますが、入社後の融通を効かせやすいというメリットがあります。 一方、10教室未満の個人塾は、そこまで多くの部署を設置する余裕がないため、「個別」が「集団」どちらか一択になることがほとんどです。 個人塾の最大のメリットは、経営者と近い距離感で仕事をすることができるため、起業のノウハウや通常では知りえない知見を得られるという点です。 どちらも、それぞれメリットとデメリットがあるため、自分が理想とするキャリア設計と照らし合わせ、判断していくことをお勧めします。
【大手のメリット】 ・待遇、福利厚生、将来性が安定している ・個別、集団どちらを選ぶのにも融通がきく
【個人塾のメリット】 ・経営者と距離が近くなる ・ノウハウや知見を吸収しやすくなるく

塾講師・正社員の仕事内容について知ろう

では、次に仕事内容について見ていきましょう。 塾講師の仕事内容は、冒頭で「授業だけではない」というお話をしましたが、ここは「個別」と「集団」で明確な違いがあります。 やや極論になりますが、まず、「個別」の場合は「ほとんど自分が授業をすることはない」と考えておいた方が良いでしょう。 仮に、担当することになっても、授業だけに専念することは、授業専任講師などの役職でない限り、不可能です。 コンビニやスーパー、飲食店などをイメージして頂けると一番分かりやすいのですが、「個別指導教室」の正社員は、最初から店長、又は副店長というポジションに付くことが多く、その業務内容は、店長同様、マネジメントが9割と言って差し支えありません。 一番負担として大きいのは、授業コマの管理であり、集団授業と大きく異なる点です。 個別指導は、教室規模が膨らめば膨らむほど、人員を確保しなければならず、大学生のアルバイト講師がその大半であるため、日々パズルを組み立てるような頭脳労働が発生します。 一方、集団指導の教室はというと、授業をやりながらも、マネジメントする教室が大半を占めます。 マネジメントの負担は、個別ほど大きくはないものの、授業タイムテーブルの管理やアルバイト講師の指導育成は、やはり社員の業務内容に含まれます。 それ以外の部分については、個別も集団も、個人塾も大手塾も大きな違いはありません。 集客業務や、入塾面談、進路面談、電話受付といった保護者対応、説明会や季節講習の運営など、やるべき業務範囲は多岐にわたりますが、基本は、どこも共通と考えておきましょう。 もし、「できる限り授業に集中したい・専念したい」という希望があれば、難関国私立受験を専門とした塾、または部署を目指すことをお勧めします。 求められる授業レベルが非常に高いため、その品質維持にリソースを割かせてもらう環境が整っているからです。 よって、採用面接を受けるにあたり、個別と集団、大手と個人塾、難関国私立専門の塾とで、業務内容の内訳は異なるので、1つの判断基準として参考にして頂ければと思います。 スカウト申し込みバナー

2.「正社員」になるために準備するポイントは?

塾講師 就職 履歴書 ここからは、就職に向けた「準備編」です。 正社員の塾講師として採用されるため、「必要最低限の準備事項」と、「とっておきの秘策」を1つご紹介致します。 まず、必要最低限の準備事項は、身だしなみや履歴書、志望動機など、通常の就職活動に向けた内容とは別に、教科知識と学校知識の準備が必要です。 塾講師は学校の教師ではありませんので、免許や資格等は必要ありません。 また、「あった方が就職に有利」という印象を持たれる方も少なくありませんが、業界内で教員免許を所持している講師は、実際多くありません。 ないと困るのは「大卒の学歴」くらいです。

教科知識

教科知識の準備が必要な理由は、採用面接時に学力測定を設けている塾や、面接時のアピールとして有効な手段となるからです。 少なくとも、指導を希望する科目の参考書や問題集を購入し、小中学生分は解いておきましょう。 可能であれば、直近の入試問題にも挑戦してください。

学校知識

2つ目の学校知識は、ご自身がお住まいの都道府県、市区町村の公立学校、私立学校の情報収集を指します。 また、入試制度も各自治体によって異なるため、最低限の情報はインプットしておくと良いでしょう。 正社員の塾講師として、教科知識がない、地域の周辺学校の情報、入試制度をまったく知らないという状態で、採用面接に臨む行為は、相当の準備不足と認識されてしまいます。 逆に、いずれ付けなければならない知識を前もって学んでおけば、「仕事がデキる人」というアピールに繋がります。 勿論、動機や意気込みも大事ですが、人事が気になるのは「口先だけではない人」です。 行動の結果を示すことが最も効果的であると心得ておきましょう。

秘策:模擬授業の準備

そして、最後の「秘策」は、「模擬授業の準備」です。 塾講師の正社員採用面接では、採用試験の一環として模擬授業の実施を課す塾があります。 特に大手塾の集団形式で求められることが多く、採用基準としても大きなウェイトを占めます。
・声の張り方や抑揚の付け方 ・間の取り方 ・板書の仕方 ・表情のつくり方 ・発問の仕方
などなど。 実際にやってみると分かるのですが、授業をするには、それなりの練度が必要です。 最も簡単な練習方法は、模範となる先生のコピー練習です。 Youtube等で授業が上手な先生を探し、模擬授業用の台本を作成して、カラオケや自宅などで録画するとよいでしょう。 素振りをしておくことで、本番の緊張を和らげることができますし、何より自分の授業を客観的に見ることができます。 個別指導の場合は、自ら指導することがなくても、アルバイトの先生へレクチャーする際などに役立てられるので、練習するに越したことはありません。 最初は少し照れが生じるかもしれませんが、これも「入社後、いずれやることになる業務」であり、「授業を主力商品」とする塾ならば、ここに力を入れられる人材は、必ず重宝されますので、是非、勇気をもって実践してみてください。 スカウト申し込みバナー

3.「アルバイト」と「正社員」の違い

塾講師 アルバイト 正社員 比較 最後に、塾講師の「正社員」と「アルバイト」の違いについて触れておきます。 塾の正社員を目指す方の中には、大学生時代にアルバイトで講師の経験をしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。 その経験を、正社員という立場で活かしたいという志は大変すばらしいものです。 ただ、アルバイト時の仕事内容がそのまま正社員の仕事内容かというと、必ずしもそうではないことに注意が必要です。 また、アルバイト経験がなくとも、「学校の先生」の延長をイメージしてしまうと、そのギャップに苦しむことになってしまうので、この内容をここで扱いました。

正社員には「集客業務」がある

特に留意しておきたい点は、「集客業務」です。 塾は学校のように生徒が毎年一定数通ってくれるわけではないので、実績や指導力をアピールし、集客努力をしなければ潰れてしまいます。 集客業務には、主に内部満足を上げる施策と、外部へアピールする施策の2つがあり、どちらも塾にとっては欠かすことのできない、いわば「生命線」とも言える業務です。 塾の集客媒体として、最も強力なのは「口コミ・評判」です。 塾にとって理想的な集客スタイルは、この口コミのみで、生徒が自然と集まる環境であり、地域で圧倒的な評判があれば、外部への施策はほとんどせずとも、集客をすることが可能となります。 しかし、ほとんどの塾が、ここを理想の境地として目指しながらも、その途上の段階にあります。 特に首都圏及び近郊のエリアは、塾の数も多いため、塾同士の競争を避けられない現状があります。 そのため、多くの塾では年度や学期ごとに、詳細な動員目標を設定し、日々の業務をこなしながらも、外部施策にも力を入れていくことになり、まさにこの点が最もギャップを感じやすい点であり、アルバイトとの違いを実感するところとなります。 業務内容には、チラシ作成、ホームページ更新、体験案内の作成、イベントの開催、ポスティング、電話営業など、手法は様々ですが、このようないわゆる営業業務があることを知らずに入社をしてしまい、結果として短期間で退社してしまう講師も少なくないのです。 営業以外にも、お便りの作成や面談など、事務作業から保護者対応まで、アルバイトがやらない仕事は他にもたくさんあるのですが、やはり「ノルマがある」という点においては、他の業務と性質的に大きな違いがあります。 どの企業でも営業ノルマは、「追うべき具体的な数字」として、目標達成のためになくてはならないものです。 安定的な収益確保は、給与や待遇の安定にもつながるため、結果として社員に還元される一方、その獲得の最前線に立つのも社員です。 この点を、自身の成長やスキルアップの一環として、前向きに取り組むことができるか否かは、その後のキャリア設計においても大きな分岐点となる要素です。 ちなみに、営業スキルの高い講師は、授業スキルも高く、リーダーシップ面で優れる傾向にあります。 営業も、授業も、スタッフ育成も、言ってしまえば「人と接すること」なので、当然と言えば当然かもしれません。 総じて、「人と接すること」「勉強」「子供」が好き、得意という方は、相乗効果的にその強みを遺憾なく発揮できる職業ですので、我こそはという方は、その一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。 今回の記事は、これで以上となります。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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この記事を書いた人
イトウ
元塾講師

過去に大手進学塾で正社員(室長・エリアマネージャー兼任)として7年間働いておりました。 教育、受験業界に関して、専門的な知識があります。

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