事前に知らないと後悔する?-集団授業と個別指導の違いー
塾講師の正社員・アルバイトとして採用され、実際に働いてみたら、
「こんなはずではなかった」
「思っていたイメージと全く違った」
と、後悔しないようにするためには、塾の種類やその違いについて、予め理解しておくことが重要です。
そこで、今回、この記事は、塾講師歴10年の経験から分かった塾の内部事情も含め、個別指導と集団授業の塾の違いについて解説していきます。
この記事をご覧になって頂くことで、両者の違いが明確になり、就職活動の方向性のヒントが得られはずです。
是非、皆さまの情報収集にお役立頂ければと思います。
集団?個別?事前に知っておきたい3つの違いとは?
塾は、大きく分けて、その指導スタイルによって集団授業と個別指導、2種類に分かれます。
しかし、実際、正社員やアルバイトとして就職した時、具体的にどのような点が異なるのか、業務内容や授業の進め方等について、詳しく知っている方はあまり多くありません。
そのため、塾講師として就職できたは良いものの、自分が想い描いていた理想の講師像と実際の業務内容とのギャップに苦しみ、転職や部署移動を繰り返す講師の方をたくさん見てきました。
多くの場合、このようなケースは「事前に両者の違いを認識していなかった」ことが原因で発生します。
そこで、今回は、その中でも特に、予め知っておくべき両者の違いを以下の3つにまとめ、それぞれの違いを明確にしていきたいと思います。
・個別指導と集団授業の違い①:業務内容と待遇(給与・シフト等)
・個別指導と集団授業の違い②:授業で問われるスキル
・個別指導と集団授業の違い③:対応の限界
個別指導と集団授業の違い①:業務内容と待遇(給与・シフト等)
では、さっそく、個別指導と集団授業の塾において、両者の「業務内容と給与やシフト等の待遇面」の違いについて、理解を深めていきましょう。
まず、業務内容についてですが、ここは正社員とアルバイトで事情が異なります。
アルバイトの場合は、授業が主たる業務内容ですので、その他の業務を託されるケースもありますが、個別と集団であまり大きな違いはないと考えて差し支えありません。
一方、正社員の場合は、業務全体に占める「授業の割合」が、集団授業の方が高くなる傾向にあります。
個別指導は、一教室で抱える講師の数が非常に多いため、シフト管理等のマネジメントが業務の中心となります。
そのため、個別指導塾は、最初から教室長や副教室長の肩書で配属されることも多く、最初は授業を担当していても、徐々にマネジメント業務が中心となり、「授業を一コマも担当しなくなる」ということがよくあります。
「授業を頑張りたい」
「たくさんの生徒を教えたい」
と考えている方は、面接時や事前の下調べで、どれくらい授業を担当するのか、確認しておくことをお勧めします。
一方、待遇面については、正社員の場合、就職直後の職位が大きく異なります。
個別指導であれば、教室長又は副教室長、集団授業なら、科目の主任・副主任等からスタートすることが多くなります。
給与とシフトは、個別と集団で単純に比較することが難しいので、採用情報にしっかり目を通すようにしましょう。
アルバイトの待遇面は、給与とシフト、どちらも個別と集団で違いがあります。
アルバイトの給与は、集団授業の方が高い傾向にあり、
集団指導:1コマ1500~2500円程
個別指導:1コマ1000~2000円程
が、おおよその目安となります。
一方、アルバイトのシフトについては、個別指導の方が融通を効かせやすいのに対し、集団授業は、曜日が合わないと授業を任せてもらえない、週単位、月単位での調整を希望しにくい側面があります。
個別指導と集団授業の違い②:授業で問われるスキル
次に、集団授業と個別指導において、「授業で問われるスキル」の違いについて解説していきます。
これに関しては、正社員とアルバイトで差はありませんので、同じものと考えてもらって大丈夫です。
結論から言うと、集団授業と個別指導では、その日の授業で、伝える内容や伝える手順は同じでも、「伝え方」に大きな違いがあります。
1対1形式ではない集団の授業では、何より「全員に話を聞いてもらう」ということが非常に重要です。そのため、高いプレゼンテーション技術が求めらます。
「授業」と聞くと、つい、その内容ばかりに気が取られがちですが、実は、それを伝える声の大きさやスピード、テンポ、リズム、視線の送り方等、「伝え方」も含めて商品の一部なのです。
・話し方に抑揚を付ける
・間を空けて注目を集める
・全員に問いかけ、考えさせる
・緊張感を切らさないように、適切なタイミングで指名する
等々、他にもたくさんありますが、参加している生徒全員の集中力を高めるには、相応のテクニックが必要であるということを覚えておきましょう。
大抵の生徒は日中の活動を終えてから塾にやって来るので、集中力が低い状態にあります。
時にはネタを仕込んで面白く、印象に残るような工夫も必要です。
そして場合によっては、緊張感を演出し、プレッシャーをかけることもあるでしょう。
最初から上手くできる必要もありませんし、できる人はほとんどいませんが、スキルを高める努力、練習を積む心構えだけは持っておくべきです。
ただ基本的に、集団授業形式の塾では担当できるようになるまでレクチャー動画の視聴や研修制度を設けているこよが多いので、
「一人で頑張らなきゃ…」
と気負う必要はありませんし、才能も不要です。
「大勢の前で話す」というのは、言わば、バスケットボールのドリブルと一緒です。
最初は意識的にボールをつく必要があっても、練習しているうちに、自然体でドリブルできるようになり、前を見たり、走ったりしながらでも、ドリブルすることができるようになるのと同じ。
人前で話すのも、練習を重ねていくうちに誰にでも習得できるようになるので、ご安心ください。
個別指導と集団授業の違い③:対応の限界
集団授業と個別指導の大きな違い、3つ目は、「どの学力層の生徒に重点が置かれているか」という点です。
個別指導ではその名の通り、生徒一人一人の学習状況に合わせて授業を行っているため、在籍する生徒全員にバランスよく重点が置かれます。
そこが個別指導の強みですし、需要のある部分でもあります。
一方、集団授業では原則、「中堅・上位層の生徒達」に重点が置かれています。
勿論、例外はありますが、進学塾や大手塾の場合は、特にその傾向があてはまりやすくなります。
進学塾や大手塾の集団授業の多くは、学力別のクラスを複数設置し、定期的にクラス分けを行っています。
その理由は、至ってシンプルで、「実績輩出」に力を注いでいるからです。
難関国私立校の合格実績の数は、指導力、授業の質が高いことの裏付けとなるため、消費者からの信頼を勝ち得るためにも進学塾は、必死に実績を追っているという実情があります。
これは、どちらが良い悪いということではなく、塾としてのビジネスモデルの違いから生じているものであり、どちらも需要があるからこそ、成り立っているビジネスなので、両者の違いをしっかり把握した上で、就職することが非常に大切なのです。
仮に、入塾してくれた全生徒の想い、希望に応えたいと思っても、集団授業の塾ではどうしても、個別対応に限界が生じてしまいます。
「この子は前学年内容から徹底的に教えた方が良いな…」
と判断しても、個別で対応するには時間、労力的にも限度があります。
そのため、塾よっては、内申で2や1が付いている生徒、入塾テストで合格点に満たない生徒を、入塾させてはならないというケースもあります。
酷な対応に思われるかもしれませんが、授業に付いていけなければ塾を辞めざるを得ませんし、その間の授業料、時間がムダになってしまうことを考えると、むしろ良心的な対応と言えるでしょう。
お互い、ミスマッチを起こさないことが、入塾時の最善策です。
そして、このことは、就職する講師にも同様に言えることなのです。
まとめ
今回は個別指導と集団授業の違いをテーマに、両者の「業務内容と待遇・求められるスキル・生徒対応」の違いについてそれぞれ解説しました。
【個別と集団の違い:その①】業務内容と待遇(給与・シフト等)
【個別と集団の違い:その②】授業で問われるスキル
【個別と集団の違い:その③】対応の限界
本編は、これで以上となります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
過去に大手進学塾で正社員(室長・エリアマネージャー兼任)として7年間働いておりました。
教育、受験業界に関して、専門的な知識があります。
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