最近では副業OKの会社も増え、
「自分もなにか本業以外に副業してみようかな」
と考える人も増えてきています。
稼働時間が夕方〜夜中心なため本業と都合が合わせやすい、学生時代にバイト経験があるなどの理由から塾講師を副業として検討する人も多いでしょう。
今回は、副業として塾講師をする時に気をつけたい点を解説します。
「とりあえず副業してみたけれど大失敗だった！」
なんてことのないよう、本当にできるのか、自分のライフスタイルに合っているのかなどを念入りに考えておきましょう！
本業が副業OKかを確認する
副業するにあたって最初にしなくてはならないのは「本業において副業がOKなのかどうか」を確認することです。
もし副業NGの会社で副業してしまうと、服務規定違反により罰を受けてしまいます。
最悪の場合は副業を理由にクビになってしまうこともありえますので、必ず本業が副業OKなのかを確認し、はじめる前にきちんと話をしてからにしましょう。
「同じ業界内での副業は禁止」などと細かく決まっていることもあるため、今働いている会社が教育業界の場合は特に注意が必要です。
また、副業先の塾を探す際も副業OKかどうかを必ず確認し、塾側が「副業であること」を話しておきましょう。
塾側が副業を禁止していることもありますし、副業である以上どうしてもシフト面などの制約が大きくなってしまうからです。
「バレなきゃいいや」はNG
「バレなければいいのでは」と考えてこっそり副業を始めてしまう人もいますが、それはやってはいけません。
副業としてある程度の稼ぎを得るようになると、住民税の額が変化するからです。
住民税は通常、会社の給料から天引きされています。
本業のみの場合は本業の給料にかかる税金分だけですが、副業を始めると「本業＋副業」の分が天引きされるようになります。
本業の会社が支給している給料の額と住民税の額が合わなくなるため「なぜ？」となり、副業していることがバレてしまうのです。
その他、気をつけているつもりでも
・会話の端々
・SNSの書き込み
・塾の講師紹介
・会社の同僚や上司の子どもがその塾に通っていた
など、様々なところからいずれ副業は分かってしまいます。
会社の規則に反して勝手に副業していると、バレた時にあなたの会社内での信用はなくなってしまいますし、副業を突然辞めることになってしまうので副業先にも迷惑をかけてしまいます。
「大丈夫だろう」と安易に考えて勝手に副業を始めないようにしましょう。
体調やスケジュール面を考える
副業を始める時には、能力だけでなく体調やスケジュール面でも「続けられるか」を考えなくてはなりません。
副業で塾をやる、ということは本業が終わったあとに更に仕事をしなくてはならない、あるいは本業が休みの日に仕事をしなくてはならないということになります。
塾講師をするためには仕事時間以外にも予習やカリキュラムづくり、教材研究の時間も必要になりますからプライベートの時間はほぼなくなってしまう可能性が高くなるでしょう。
また、本業後に授業のコマがあるとすると、本業で残業などはできなくなります。
休日出勤などにも対応できなくなるため、シフト制の仕事などでは厳しい部分があるかもしれません。
確実に毎回の授業を行えるか、普段の仕事の状況をよく見て判断しましょう。
仕事ばかりになってしまうため、体力が続くかどうかについても慎重に考えましょう。
普段は大丈夫だとしても、何年も続けてできるかというとまた別の話になってきます。
夏休み・冬休みなど長期休みに注意
塾では夏期講習・冬期講習など生徒の長期休みに合わせて講習が組まれます。
講習期間中は朝から夜まで授業が組まれ、授業も普段と異なる時間割になったり、コマ数が増えたりします。
塾講師としては稼ぎ時なのですが、会社員の場合、この期間に合わせて休みを取ることはあまり期待できません。
どのように時間割変更や増コマに対応するか、はじめる前に考えておく、あるいは塾側としっかり相談しておく必要があるでしょう。
状況によっては塾講師以外の選択肢も
「決まった時間に確実に退社するのは難しいかも」「講習期間の対応は厳しいかもしれない」
という場合は、塾講師以外も副業の選択肢として考えてみるといいかもしれません。
「学力に自信がある」という場合は、問題集や参考書の作成、テスト問題の校正などがおすすめ。
納期までに終わればいいので自分のペースで仕事を進められますし、急な残業などにも対応できます。
「教えることにこだわりがある」という場合はオンライン家庭教師や英会話講師などもいいでしょう。
特に英会話講師の場合は自由にシフトを組める会社や短時間からの勤務でOKの会社も多いため、副業として働きやすい環境です。
問題集作成やオンライン家庭教師、どちらもオンラインでできる仕事なので本業以外の通勤時間も発生しない点もメリット。
自分の本業やライフスタイルに合わせ、無理のない仕事を副業にしましょう。
塾講師を副業として選択するメリット
塾講師を副業とするのは難しい面もありますが、他業種に比べてメリットも多くあります。
【塾講師を副業とする際のメリット】
・稼働時間が夕方〜なため本業と都合が合わせやすい
・短い時間から働きやすい
・時給が高い
・将来的に独立を考えられる
塾業界は夕方〜がメインのため、多くの会社員の仕事時間と被りにくくなっています。
また、他のアルバイトに比べて「週1日〜」や「週1コマ〜」と短い勤務時間での募集があるため、自分の都合に合わせた働き方がしやすくなります。
時給も高めなので、短時間で稼ぎたい人には向いているでしょう。
塾を開くためには特別な資格もいらず、初期投資も飲食業などに比べて少なめで済むため、将来的に独立を考えている人にもおすすめです。
本業で資金を貯め、塾でノウハウを学ぶことでより早く自分の夢に到達できるでしょう。
「学生ばっかりだから浮く」は本当？
「塾講師バイトは学生ばかりだから、社会人がいると浮くのでは？」と心配する人もいるかもしれません。
「学生お断り」の塾や予備校でない限り大部分のバイトは学生なので、たしかに少し居心地の悪さを感じる可能性はあります。
しかし、大体どの塾にもプロとして働く先生や非常勤講師と兼業で塾の先生をしている人、退職した元教員の先生、大学の研究室に所属しながらバイトしている先生など社会人の先生は一定数存在します。
そのため、そこまで気にする必要はないでしょう。
また、社会人であることは塾業界においてはメリットとして働きます。
社会人の年齢だと、保護者の方や生徒から信頼をより得やすくなりますし、
「今の仕事で勉強をどのように活用しているか」
「働く上での勉強する意味」
など、「兼業で塾講師をしている社会人ならではの目線」で話をすると、他の先生にはない魅力となるはずです。
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- 二木原 恭子
- 元塾講師 家庭教師
大学生から塾講師・家庭教師として活躍。 中学受験から大学受験まで幅広い学年を扱い、歯学部にも合格させました。 現在は教育・受験ライターとして、医学部受験専門メディアなどにも寄稿しています。
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