塾講師の働き方の一つ「業務委託」とは？働く上での注意点を解説！|塾講師キャリア

塾講師として働く際、「アルバイト」「パート」以外に「業務委託」という形式の求人を見て「これはなんだろう？」と思った経験はないでしょうか。実は、業務委託はアルバイトやパートとはかなり違う性質を持った働き方。そのためよく調べず「まあアルバイトと同じかな？」と思って業務委託で働き始めてしまうと、後々「こんなはずではなかったのに」とトラブルの原因になってしまうことも。そこで、今回の記事では塾講師の業務委託について、下記の内容をまとめていきます。

この記事で分かる事

・塾講師の業務委託における仕事内容・業務委託のメリット・業務委託のデメリット・「違法業務委託」の注意点

業務委託がどのような働き方なのかを知って、自分に合った働き方を選べるようにしましょう！

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業務委託とは
違法業務委託に気をつけよう！
- 以下の点があったら要注意
業務委託はプロや塾講業務に慣れた人におすすめの業務形態

業務委託とは

業務委託とは、簡単に言ってしまえば「会社の業務の一部（塾講師の場合は授業）を請け負う」ということです。塾講師の場合は個人で契約することがほとんどだと思いますが、その場合業務委託契約を結ぶと同時にその人は「個人事業主」になります。会社に雇われているのではなく、フリーランス、つまり1人で事業をしている人として会社と「契約」して仕事の一部を代わりに行っているイメージです。業務的な意味での主従関係はありますが立場としては平等なため、「自分で決められること」の裁量が比較的大きく、その代わりにリスクも大きくなるのが特徴です。

請負契約と委任・準委任契約

業務委託には「請負契約」と「委任・準委任契約」の2つの種類があります。塾講師として働く場合は「準委任契約」が適用されるでしょう。「請負契約」とは、「ある仕事の完成」が契約内容となるものです。アプリの開発やウェブサイトのデザイン、イラスト作成や家を建てるときなどがこの請負契約にあたり、「仕事が完成しないと報酬が支払われない」のが特徴。簡単に言えば「アプリ1個でいくら」「イラスト1枚いくら」といった、「作品や成果物と報酬が引き換えになる」契約のことです。「委任・準委任契約」とは、「ある仕事をすること」が契約内容となるものです。弁護士の相談業務やセミナー講師による講演、インフルエンサーによるSNSでの宣伝、調査や事務作業などが委任・準契約委任となります。簡単に言えば「相談1件いくら」「セミナー1回いくら」など、「その仕事の結果ではなく、仕事をしたことそのものに報酬をもらう」契約のことです。ちなみに、弁護士など法律行為の契約の場合が「委任契約」、それ以外のケースが「準委任契約」になります。塾講師も「生徒に授業を行う」ことが仕事内容となるため、業務委託の場合は準委任契約が交わされることになるでしょう。

業務委託のデメリット

アルバイトや正社員と業務委託の違いは「会社に雇われているかどうか」ということです。業務委託で働いている場合、アルバイトなどと違って労働法の適用を受けません。具体的には、以下のようなデメリットが発生します。

・通勤中や仕事中の怪我に労災がない・社会保険に入れない・失業手当がない・残業や有給が発生しない・確定申告を自分で行わなくてはならない

業務委託で働く場合、個人事業主、いわゆるフリーランス扱いになってしまうため「労働者」を対象とした制度や法律の対象外となります。労災の適用を受けませんし、社会保険にも入れないため自分で国民保険やフリーランス用の保険に加入しなくてはなりません。年金も給料天引きではなくなるため注意が必要です。仮に契約が打ち切りになったとしても失業手当などは無く、ボーナスや有給、残業代なども発生しないため状況によっては最低賃金以下のお金しか稼げない状況にもなりえます。あくまでも契約している会社からは「働いた分のお金をもらうだけ」の関係となる、と思っておくと良いでしょう。また、業務委託の場合は自分で自由に仕事内容を決められるため、意識して努力しないとスキルアップを怠ってしまいがちになります。こちらも人によってはデメリットになるでしょう。

業務委託のメリット

業務委託で働くことにはもちろんメリットもあります。

・自分の業務のみに集中できる・働き方によっては高収入を得られるようになる可能性がある・比較的仕事の裁量権が大きい

業務委託で働く際には「契約内容外」の仕事は基本的にやる必要はありません。例えば、「生徒への授業」が契約内容であれば、営業や塾の運営にはノータッチでOK。転勤などもないため、会社員でよくありがちな「自分の嫌な仕事をやらされる」「したくないのに転勤させられてしまう」という悩みとは無縁です。また、会社の給料形態に縛られることなく報酬を得られるため、働き方によっては会社員よりも遥かに高い収入を短い実働時間で得ることも可能になります。また、業務委託では比較的「どのように仕事を進めるか」が自由に決められます。塾の場合は使用テキストや生徒への指導方法が講師側の裁量で決められるケースが多くなるので、より自分の思った通りの授業を展開しやすくなるでしょう。

違法業務委託に気をつけよう！

業務委託は「社会保険を負担しなくていい」「有給や残業代を払う必要がない」など、企業側にも大きなメリットがある働き方です。そのため、本来であればアルバイトや正社員の働き方であっても、「業務委託として契約することで経費を節減しよう」と考える悪い会社もあります。これを「違法業務委託」と呼びます。例えば、アルバイトとして応募者を募っているのに、雇用契約ではなく業務委託で契約を結ばせたり、リストラの代わりに「正社員をやめて業務委託契約に切り替えよう」と持ちかけたりするのが典型的な手口。違法業務委託を結んでしまうと、業務委託のメリットはないのにデメリットだけを押し付けられてしまいます。 「正社員と仕事は変わらないのに給料は減り、有給もボーナスもなくなってしまう」可能性があるのです。

以下の点があったら要注意

違法業務委託契約を結ばないためには、契約を結ぶ際にどんな内容かをしっかりと確認しなくてはなりません。実際にどのようなものが違法に当たるのかはケースバイケースになりますが、以下のような点があったら「業務委託」ではなく「アルバイト」「正社員」として雇用契約を結ぶべきかもしれません。

・「◯時〜◯時」など、働く時間や場所が指定されている・「上司」が存在する・指導方法やテキストなどが決まっている・コマ給ではなく時間給である

「あれ？」と疑問に思うことがあったら、契約をする前に相手としっかり話し合い、流されないよう一度家に持ち帰ってじっくり考えてみましょう。

業務委託はプロや塾講業務に慣れた人におすすめの業務形態

業務委託はアルバイトや正社員とはかなり違う働き方なので、最初にメリットとデメリットをしっかり把握してから契約を結ぶ必要があります。業務委託が向いているのは「ある程度アルバイトや正社員の経験があり、どのように指導したら良いのかがわかっている」、「教科指導にだけ集中して生徒に関わりたい」人など。自分の都合に合わせて融通を利かせた働き方もしやすいため、副業やまとまった勤務時間が取れないという人にもぴったりです。うまく自分の専門性を活かせれば、会社員でいるよりも大幅な収入アップができるかもしれませんよ！

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