塾講師のバイトで教える対象となるのは主に小学生、中学生、高校生となります。
では、皆さんはこの中だとどの学年に教えるのが1番簡単だと思うでしょうか?
多くの人は「小学生」だと答えると思います。
なぜなら、「1番内容が簡単」だから。
しかしいざ指導するとなると、実は小学生に教えるのって結構テクニックがいるんです。
今回は、塾講師・家庭教師として小・中・高すべての生徒を指導した私が経験から学んだ小学生に授業をするテクニックをご紹介します。
これから塾講師として小学生に教えたいと考えている方、現在塾講師バイトとして働いている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

小学生の指導ポイント①:楽しい雰囲気をつくる
雰囲気というのはとても大切です。
特に小学生は良くも悪くも周りの影響をよく受けるので、塾講師が「できるぞ」「楽しいぞ」という雰囲気を作ってあげることが大切です。
自分が小学生の時を思い出してみてください。
元気のない先生の授業はみんな元気がなかったし、明るい先生の授業はよく手が上がっていませんでしたか?
なにも、塾でふざけてお笑いのようなことをやれと言っているわけではありません。
笑顔で、明るくはっきりと喋って、行動の1つ1つをはっきりとしてみてください。
イメージは幼児向け番組の歌のお姉さんや体操のお兄さん。
塾に通っている子の中には、友だちが通っているからとか、保護者に言われてとか、勉強をする気がない子もたくさんいます。
まずは、流れに乗せてなんとなく取り組んじゃう勢いと、授業が終わってからなんとなく楽しかったという印象を持たせることが大切です。

小学生の指導ポイント②:見通しを持たせる
学年が低くなれば低くなるほど、先のことを見通す力は弱くなります。
そのため、小学生は今やっていることが何なのかよくわからないまま授業を受けていることがあります。
例えれば、目的地がわからないまま知らない街を歩いているような状態ですね。
そのような状態では授業に集中できるわけがありませんので、塾講師のほうでゴールを教えてあげる必要があります。
小さな目標を立てる
いわゆるスモールステップという考え方です。 小学生にとって、数週間後、数ヶ月後の目標というのは実感がわきにくいです。 なので、1週間ごとや授業ごとに何を目指すのか、目標を立ててあげると頑張りやすくなります。 例えば、「今日の授業はこの問題が解けるようになることが目標です」などと教えてあげるのです。 もう少し長期的に見るならば、「来週の授業までに○ページまでやってくる」という宿題を出したとすれば、1日にどのくらい進めればいいのか一緒に考えたりしても良いでしょう。 簡単なカレンダーや一覧表で目標をはっきり示してあげるのも効果的です。 小さな目標を立ててクリアしていく経験は自己肯定感を育てるだけではなく、自分で学習計画を立てて実行する練習にもなります。何を勉強しているのかをはっきりさせる
授業のはじめには、今日はどんな勉強をするのか、何を勉強するのかをはっきり明記してあげると理解しやすくなります。 例えば、算数の授業であれば「今日は円の面積を求める公式を使えるようにします」や「分数のかけ算を練習します」など、何を学ぶのかを伝えたうえで授業を行うと、生徒が考えたことや学んだことを目的の内容にあわせて整理しやすくなります。 また、塾講師の側としても指導がブレないので一貫したわかりやすい解説を行うことができます。
小学生の指導ポイント③:小さなことでもどんどん褒める
褒められて嬉しくない子はいません。
・前は間違えた問題を解けるようになった
・テストで頑張った
・宿題を忘れずにやってきた
・難しい問題を解くことができた
など、生徒の成長を見つけたら些細なことでも褒めてあげてください。
教える側としてバイトしている塾講師からしたらできて当たり前のことかもしれませんが、生徒にとっては成長です。
特に塾の先生という自分よりも頭がよい人から勉強のことで褒められたら生徒にとっては大きな自信に繋がります。
中には反抗的な生徒もいて苦労するかもしれませんが、怒るところはちゃんと怒り、褒めてあげるところはちゃんと褒めてあげれば信頼関係が築けます。
ただし、生徒にとっても「できて当たり前」なことをわざとらしく褒めると逆にバカにされているように感じてしまうので、加減が難しい人は「できなかったことができた」を基準にすることをおすすめします。

小学生の指導ポイント④:説明し過ぎない
丁寧に教えようとするあまり、補足的なことをたくさん説明してしまって話が脱線してしまうことがあります。
特に小学校で学ぶ内容は、そのあとの中学校、高校に関わる基礎の内容が多く、講師の側も「もっと詳しく、もっといろんなこと」と話を広げやすい内容が多いです。
しかし、講師の側からしたら簡単なことでも、生徒にとっては新しい知識です。
覚えるべき内容以上のことをたくさん話されると、情報を取捨選択できなくて逆に混乱してしまうことがあります。
私も過去にそれで何度も失敗してきました。
人は知っていることについては話したくなってしまうものですが、何を伝えて何を伝えないのかを選ぶのも指導のうちです。

小学生の指導ポイント⑤:難しい言葉を使わない
何気に難しいのが言葉選びです。
学年が上がれば上がるほど、自分と年齢が近くなるので使う言葉をそんなに意識しないでも伝えたいことが伝わるようになります。
しかし、小学生だとそもそも持っている語彙力に大きく差があります。
講師にとって普通の説明でも、生徒にとっては謎の専門用語がたくさんでてくるわけのわからないことになってしまう可能性があるのです。
この難しさを解消するのに1番簡単なのはテキストにかいてある説明をベースにすることです。
教科書や問題集というのはよくできていて、その学年で知っていると思われる漢字や単語で説明や指示が書かれています。
なので、それらに書かれているような表現なら問題なく生徒に伝わることが多いです。
中には、ここまで読んで、
「じゃあ、書かれている説明だけだと理解できない生徒にはどうしたらいいの?」
と疑問に思った人もいると思います。
そういうケースのために、いくつか対処法をご紹介します。
具体例を使う
言葉で説明が難しい時に1番手っ取り早い方法は具体例を提示することです。 言葉だけで説明しようとすると難しいことでも、具体例を見せながら説明すると少ない言葉でもちゃんと伝わることが多いです。 具体的なイメージが得られることで生徒の理解も深くなりますので、普段から説明をする時には具体例を提示しながら説明できるようにしておくとよりわかりやすい授業が行えるようになります。できるだけ簡単な言葉に置き換える
できそうならば、同じような意味の違う言葉に置き換えて説明してみてください。 最初から置き換えなくても、生徒とのコミュニケーションをとりながら説明していくなかでわかっていない単語が出てきたときだけでも大丈夫です。その言葉の意味を教えてしまう
最終的には、その言葉の意味自体を教えてしまうのもアリです。 難しい言葉ばかりを使って説明したら生徒は混乱してしまいますが、言い換えの難しい単語が1つや2つ入っていても、その意味をちゃんと説明して上げられればOKです。 私が塾講師のバイトをしていた時は、よく電子辞書を指導スペースに持っていっていました。 他の塾講師バイトの人も電子辞書を持ち歩いていましたし、わからないことがあればすぐに調べる姿勢を生徒に見せるのも大事な教育です。
指導は「難しいことをやさしく、やさしいことを深く」が基本
「難しいことができるのがすごい先生」みたいなイメージを持っている人も少なくありませんが、指導の基本は「難しいことをやさしく、やさしいことを深く」です。 授業の目的や説明で使う言葉、場の雰囲気など、生徒が混乱したり難しいと感じてしまう要素を減らし、やってみたらできたという体験をくり返していけば成績は自然と伸び、子どものやる気も育ちます。 小学生で教える内容は、どれもその後の学習に大きく影響を与えるというプレッシャーがありますが、同時に基礎の基礎なので教え方さえわかればいろんな教科を担当できるチャンスでもあります。 ぜひ、生徒の「わかった」という笑顔を引き出し、塾講師バイト生活をレベルアップするヒントにしてみてください。レア求人・スカウトメールの通知を受け取れます!
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