
なぜ勉強へのやる気が出ないのか?
そもそもなぜ、やらなければならないと頭で分かっていても、勉強へのやる気が出なくなってしまうのでしょう? その理由として、主に以下の7つが考えられます。勉強への苦手意識が強い
まず1つ目の理由として考えられるのは、「勉強への苦手意識が強い」ということです。 人間、苦手意識のあるものに長時間集中して取り組むことは難しいものです。 例えば、機械が苦手な人に「パソコンでプログラミングの勉強をして」といっても、すぐにはできないでしょうし、大きなストレスがかかってしまうと思います。 同じように、数学が苦手な人に「数学の問題をひたすら演習しておいて」といったも、同じようにすぐにはできず、ストレスが溜まり、なかなかやる気は出てこないと思います。 とはいえ大学受験において、「いかに苦手科目を克服するか」ということは非常に重要な課題です。 「苦手だから」といって避けて通ることは難しいでしょう。 その場合には、「2.1.苦手意識が強いものには、簡単なところから少しずつ取り組む」のような対処法が考えられます。目的意識がはっきりしてない
2つ目の「勉強へのやる気が出ない」理由として、「目的意識がはっきりしていない」ということを挙げることができます。 受験生の中には、「大学には行かないといけないと思うけど、どこに行きたいか、何をしたいかと言われてもわからない」「自分が将来どうしたいかなんて分からない」という方も少なくありません。(私が接してきた生徒さんにもそういった方は多くいらっしゃいました。) もちろん、そう思うことは「正直な自分の気持ち」だと思うので、悪いことでもなんでもありません。 ただ、勉強をする意味がわからないまま勉強することは苦痛を伴い、「勉強のやる気が出ない」という結果につながってしまいます。 ですので、どのような形でもよいので、「目的」「目標」を考え、「そこに到達するために勉強するんだ」と考えられるようになれば、「やる気が出ない」問題は多少解消されます。 「目的」「目標」は別に、有名大学合格や有名企業就職のようなものでなくて、まったく構いません。 むしろ、「大学合格を目標にしないほうがよい」と私は思っています。 「目的意識がはっきりしていない」ためにやる気が出ない場合の対処法は、「2.2.大学合格を目標にしない」でご紹介いたします。集中力が続かない
3つ目の勉強へのやる気が出ない理由は、「集中力が続かない」というものです。 人間にはいろいろな性質があり、「一度集中すると長い時間集中できる」という人と、「集中を長く続けることが難しい」人がいます。 後者の場合、無理に集中力を保って勉強し続けることは大きなストレスとなってしまいます。 とはいえ、受験生はある程度以上まとまった時間勉強しなければ、成績を上げ志望校に合格することができません。 そういった場合には、「2.3.こまめに科目を切り替える、好きなことを挟むなど、飽きない工夫をする」といった対処法をおすすめします。 「勉強に長時間集中できない自分がダメだ」と自分を責めるのではなく、「そういった性質なのであれば、それに対応できるようにしよう」という方向で対処しましょう。 誰しも得意苦手はあるものです。 自分にとって、「できるだけストレスがかからず、やる気が出やすい」勉強法を模索していきましょう。疲れが溜まっている
4つ目の理由は、「疲れが溜まっている」です。 当たり前ですが、疲れが溜まっていると人間は「休息したい」と思います。 ですので、結果としてやる気が出ず、「集中が途切れる」「眠くなる」という症状が出ます。 この「疲れ」が、「身体面の疲れ」なのか「精神面の疲れ」なのかで対処法は少し変わるのですが、どちらの場合にも効果的な対処法は「夜早めにしっかり寝れるようにする」ことです。 「2.4.夜早めにしっかり寝れるようにする」で、対処法について詳しく述べていますので、ぜひそちらを参照ください。別の誘惑が多い
次の「勉強のやる気が出ない」理由は、「別の誘惑が多い」というものです。 あなたは、勉強するとき、スマホやマンガ、パソコンを近くに置いていないでしょうか? もしくは、ベッドや布団、趣味の道具が近くにないでしょうか? 基本的に人は、「好きなことを優先してしたい」と思ってしまう生き物です。 勉強をしているときに、そういった誘惑が近くにあると、どうしても意識がそちらに引っ張られてしまいます。 ですので、そういった誘惑について、「2.5.誘惑を見えないようにする、誘惑のない場所に行く」ことをおすすめします。 対処法について、より具体的に「2.5.誘惑を見えないようにする、誘惑のない場所に行く」で説明していますので、心当たりがある方はぜひご覧ください。勉強内容が自分のレベルに合っていない
6つ目の「勉強へのやる気が出ない」理由は、「勉強内容が自分のレベルに合っていない」ということです。 特に、直前期の受験生やハイレベルな大学を志望している受験生は、「自分の学力が志望校にまだまだ届いていない」という焦りから、自分のレベルより難しい問題を解こうとしがちです。 ですが、ハイレベルな問題ばかりを解いていると、「勉強内容がハイレベルすぎる→一問一問をなかなか理解できない・何が理解できていないかが分からない」という状態に陥りやすくなってしまいます。 この状態では、「解く楽しさ」や「分かる楽しさ」を感じることは非常に難しく、やる気が出なくなってしまっても不思議ではありません。 この状態にうまく対処するためには、「レベル感を合わせた勉強からステップアップしていく」ことがおすすめです。 具体的な方法や注意点について、「2.6.レベル感を合わせた勉強からステップアップしていく」で詳述していますので、ご覧ください。
取り掛かるまでの障害物が多い
最後の7つ目の「勉強のやる気が出ない」理由は、「取り掛かるまでの障害物が多い」ということです。 「よし、勉強しよう」と思ったときに、「教科書、参考書、筆記用具、ノートがすべてどこにあるか分かる」状態で始めるのと、「それらを探すところからスタートしなければならない」人では、最初に必要なエネルギー量がまったく違います。 学習にすぐ取り掛かることのできる環境を整えるとともに、ぜひ、学習環境を自分好みに整えていきましょう。 具体的な方法や、意識するといい点については、「2.7.学習環境を自分好みに整える」で詳述しています。勉強へのやる気が出ないときの対処法7選
ここまでの「やる気が出ない」理由の中に、あなたに当てはまるものはあったでしょうか? ここからは、そういったやる気が出ないときの「対処法」を7つ、お伝えいたします。苦手意識が強いものには、簡単なところから段階的に取り組む
まず1つ目は、「苦手意識が強いものには、簡単なところから段階的に取り組む」というものです。 これまでに私が担当させていただいた生徒さんを見る限り、「勉強に苦手意識がある」という場合には、さらにもう一段深いところに「苦手の理由」がありました。 例えば、以下のようなものです。 ・「分からないことを分からないまま進めていくのが苦手」 ・「暗記するしかないと言われることがいや」 ・「いやな先生の記憶が、その科目のイメージに重なっている」 ・「その科目を勉強する意味が分からない」(こちらについて、勉強する意味を見出す方法については「2.2.大学合格を目標にしない」で対処法を説明しています。) これらのうち、上2つについては、「簡単なところから段階的に取り組む」ことで対処可能です。 しかし集団授業では、この「個人のレベル感に合わせて段階的に取り組む」ということが難しい場合が多いので、完全個別指導や自学自習のなかで取り組むことをおすすめいたします。 取り組む際には、「このくらいなら割とすんなりわかる」くらいのレベル感の参考書から始めて、ひとつひとつ納得しながら進んでいくことが大切です。 自分一人では分からないところが出てきたら、学校の先生や塾の先生に聞く、もしくはインターネットで検索して調べてみることをおすすめします。 3つ目の、「いやな先生の記憶が、その科目のイメージに重なっている」場合の対処法は、「その先生の授業を可能な限り受けない」というものが考えられます。 「学校の授業でどうしても受けなければならない」という場合には、「できるだけ休む」「極力聞かないようにする」という対処法を取るのもひとつの手です。 学問を学ぶ(新しいことを知る)というのは、本来楽しさもある作業のはずです。 「その先生の授業を受けると、その学問までも嫌いになってしまう」という場合には、その人の授業からできる限り逃げ、別の先生の授業を受ける、自分で自習する、という対応を取ってよいと思います。大学合格を目標にしない
次の対処法は、「大学合格を目標にしない」というものです。 「目的意識がはっきりしていない」ために勉強へのやる気が出ない場合、「目的」や「目標」を立てることが求められます。 しかし、その「目的」「目標」は「有名大学合格」や「有名企業就職」などである必要はありません。 よく言われるように、大学や企業はゴールではなく、人生における通過点になるので、むしろそういったものをゴールにしない方が良いです。 「大学合格」を目標にせず、「自分が好きなこと、興味あることは何か」「大学に行った後、何をしたいか」「大学卒業した後、何に関わっていたいか」を中心に考えてみましょう。 一例として、私がこれまで関わってきた生徒さんは、以下のような「目的」「目標」で大学を選び、進んでいかれました。 ・◯◯大学の◯◯という部活やサークルに入って楽しみたい ・◯◯大学の◯◯という部活やサークルがおもしろそう ・東京に住んでみたいから東京の大学に行きたい ・都会の大学に行って、ファッションやお店、ライブなどを楽しんでみたい ・学部や部活で、似たものに興味のある新しい友人とのつながりを作ってみたい ・本が好きだから文学部に行きたい ・英語に興味あるから英文学部、国際学部に行ってみたい ・バイクや車が好きだから工学部に行ってみたい ・ゲームに関わりたいからプログラミングの学べる情報工学部系に行きたい ・自分のしんどい気持ちなどを分かるようになりたいから心理学を学びたい ・自分の好きな音楽、絵画を学べる美学芸術学を学べるところに行きたい などなど 大学に行くと、結局は学部の内容を学ぶことにはなります。 ですので、学部学科の研究内容が「あなたの興味に合うかどうか」というのはもちろん大切です。 ですが、もしそういったことについてあまり具体的な想像が持てない場合には、「これは興味ないな」という学部を外す、という逆算的な方法もありです。 「興味ない学部学科」を外した上で、学問以外の興味から大学を選ぶことも大切だと私は思います。 大学の4年間は、「学びの時期」であると同時に「出会いの時期」でもあります。 学問研究以外にも「興味・関心の近い友人ができる」「趣味の集まりに参加する」「部活やサークルに熱心に取り組む」などの活動もすることができます。 「勉強をしなくていい」というわけではないのですが、「何かに熱心に取り組む」ということは楽しく、あなたの支えとなる経験やつながりになっていくでしょう。 ですので、「どんな学部学科に行くか」という視点だけでなく、「大学生活をどんな風に楽しみたいか」という視点でも、「目的」「目標」立てをし、「そのために勉強するのか」と思えるようになれば、少しやる気が湧いてくるのではないでしょうか。
こまめに科目を切り替える、好きなことを挟むなど、飽きない工夫をする
3つ目のやる気が出ないときの対処法は、「こまめに科目を切り替える、好きなことを挟むなど、飽きない工夫をする」です。 自分の性質的に、「どうしても長時間集中することが難しい」という場合には、こまめに切り替える時間や休憩時間を挟み、完全に飽きてしまわないように工夫することが大切です。 学習内容を、「数学→国語→社会→英語」のように切り替えてもよいですし、「数学→5分休憩→国語→5分休憩」のようにこまめに休憩時間を挟むのもひとつの方法です。 じっと座って勉強するのが苦手な場合には、動きながらできる学習は歩きながら行なうのも効果的な方法のひとつです。 特に、暗記系の学習であれば、歩きながら学習することに適しています。 動くことで血流の促進にもつながるので、この方法は眠気の対策としても使うことができるでしょう。夜早めにしっかり寝れるようにする
4つ目の対処法は、「夜早めにしっかりと寝れるようにする」です。 睡眠不足は、注意や集中力の低下・眠気・易疲労感(疲れやすさ)など、すべてのパフォーマンスを下げてしまいます。 なので、生活のスケジュールをしっかりと組み、「夜遅くとも12時までに就寝し、6〜8時間程度眠ることのできる」生活リズムを整えましょう。 夜しっかりと眠ることで、上記のパフォーマンスが改善されるとともに、寝ている間に知識が整理され、暗記効率の向上にもつながります。 身体の疲れや軽度の心の疲れの場合には、上に述べたような「睡眠の改善」で効果が見られることが多いです。 しかし、重度の精神的な疲労(外的要因を伴う場合を含む)の場合には、ひとりで対処することは難しいので、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。 困ったときの相談先(厚生労働省)誘惑を見えないようにする、誘惑のない場所に行く
5つ目の対処法は、「誘惑を見えないようにする、誘惑のない場所に行く」です。 身近にスマートフォンやパソコン、マンガなどがある状態では、集中しようと思ってもなかなか集中できるものではありません。 ですので、まずできる対処法としては、それらを「見えないようにする」ことです。 具体的には、「スマホはカバンにしまう」「パソコンのない部屋で勉強する」「マンガはすぐには見えないところにおさめる」などの対処があります。 家でそういった対処をすることが難しければ、「自分自身が場所を変える」という対処法もあります。 「塾の自習室」や「カフェ」「図書館」など、外で勉強できる場所を確保し、そこで勉強することで、「誘惑の少ない環境」をつくることができます。レベル感を合わせた勉強からステップアップしていく
6つ目の対処法は「レベル感を合わせた勉強からステップアップしていく」です。 ハイレベルを目指しすぎるあまり、「ハイレベルな問題しか解いていない」という状態になってしまってはいませんか? 勉強の中で、やる気・モチベーションを感じることができるのは、「解けた!」「わかった!」という瞬間です。 やる気を保ちながら勉強を続けるためにも、自分のレベル感に合った参考書を着実に解いていきましょう。 ひょっとしたら、「難しい問題を解いた方がレベルアップが早いのではないか」と思っている方もいるかもしれません。 ですが、実際のところそんなことはありません。 なぜなら、難しい問題は「その前の基礎問題を理解していること」を前提としている場合がほとんどだからです。 結局、勉強においては、段階を踏んで学習することがレベルアップへの一番の近道といえます。学習環境を自分好みに整える
最後の7つ目の対処法は、「学習環境を自分好みに整える」です。 少ないやる気でも、すぐに勉強に取り掛かれるよう、「すぐに勉強できる環境」「自分好みの学習環境」を整えておきましょう。 「勉強道具をすぐに取り出せない、準備できない」「机周りが散らかっている」などの障害があると、勉強にとりかかるまでの片付けでエネルギーを消費してしまいます。 また、いざ勉強にとりかかっても、「周りの音が気になる」「家族の生活音や動きが気になる」などの要因があると集中が切れてしまうかもしれません。 ですので、「すぐに勉強にとりかかることのできる環境をつくる」とともに、「イヤホンや耳栓を使用する」「視界を制限する板を立てる」「好みの文房具を使う(モチベーションを上げる)」などの対処をして、できるだけ自分好みの環境を整えておきましょう。 そうすることで、やる気・集中力を途切れさせることなく、勉強を続けやすくなるでしょう。自分の性質を見極め、勉強のやる気を持続させよう!
受験生にとっては、「勉強にやる気を出す」ことはとても難しいことかもしれません。 ですが、「自分らしい目的・目標を見つける」「自分好みの学習環境を整える」など、「やる気が出やすい」「やる気が続きやすい」状態をつくりだすことは可能です。 この記事でご紹介した対処法を実践することで、あなたのやる気が少しずつでも湧いてくること、そしてあなたの目的・目標に関係する大学に進むことができることを祈っています。レア求人・スカウトメールの通知を受け取れます!
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