英語の勉強と一口に言っても、単語、熟語、英文法、構文、長文読解、リスニング、ライティング等範囲はかなり広いですよね。
どのような順番で勉強をしていくべきなのか、何を優先すべきなのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、英語の勉強順について紹介していきます。
学校の英語の教科書を見てみると、長文テキストがメインになっています。
この中に、新しく習う単語、熟語、英文法が登場してきます。
このような新しい英語に触れるため、テキストの内容をリスニングしたり発音したりして授業が進んでいくのではないでしょうか。
授業の後半では、テキストのテーマに合わせたスピーキングやライティングを行う場合もあるでしょう。
つまり学校の授業では、英語学習に関わる全分野を並行して進めているのです。
しかし基礎力が身についていない状態で長文の読解やスピーキング、ライティングをするのはなかなか難しいものです。
英語学習の最適な順番には諸説ありますが、ここではメジャーなものをご紹介します。
1 基礎力(英単語、熟語、英文法)
2 長文読解、リスニング
3 ライティング、スピーキング
1つ1つ見ていきましょう。
基礎力
その1 英単語
英語学習において、最初の土台となるのが英単語です。 英語が苦手、という人はまず中学レベルの英単語を確実に覚えるようにします。 英単語の覚え方としては、例文と一緒に覚えるのが理想的とされています。 単語一つではイメージが広がらないからです。 ところが、この方法には1つデメリットがあります。 それは、例文の中に出てくる他の単語が分からず、つまづいてしまうことがあるということです。 例えば、book(本)は基礎レベルの単語ですし、日本語の中でもよく使われているので覚えやすいでしょう。 しかし、この単語を以下の例文とともに覚えるとしたらどうでしょうか。I will read the book tomorrow .(私は明日その本を読むつもりです)
Will?read?tomorrow?book以外の単語がたくさんでてきて分かりづらいですし、文の解釈には英文法の知識も必要になってきます。
そんな場合は、フレーズ型の単語帳を使った勉強法がお勧めです。
フレーズ型単語帳とは、例文ではなく短い語句で構成された単語帳のこと。
bookならば以下のようなフレーズで暗記していきます。
Read the book(その本を読む)
フレーズ型の単語帳なら、英単語、英文法への基礎知識がなくても取り組みやすいですよ。
その2 英熟語
英熟語はある程度英単語を暗記した後に取り組むと良いでしょう。 英熟語の元になる英単語の意味をしっかり押さえておくことで、熟語の意味が見えてくることがあるからです。その3 英文法
英語は単語の並び方がとても重要な言語です。 例えば、「私は」「彼に」「そのバナナを」「持っていく」という4つの言葉があります。 以下の3文は言葉の並び方がそれぞれ違いますが、どれも同じ意味として通じますね。・私は彼にそのバナナを持っていく。
・私はそのバナナを彼に持っていく。
・彼に私はそのバナナを持っていく。
しかし、英語にはこのような柔軟性はありません。
I bring him the banana.
この文章を以下のように変えますと、「バナナに彼を」持っていくことになってしまいます。
I bring the banana him.
英単語を覚えるだけでは、英語の文章が作れないということが分かってもらえたでしょうか。
英文法については簡単な物から難しいものまで様々ですが、
まずは5文型と時制表現など、基本的な部分を身に着けることを目標にしてください。
中学レベルの英文法知識でも、身に着けると大体の長文を読めるようになります。
長文読解(リーディング)からのリスニングスキル修得
英単語、英熟語、英文法が身に着いたら、いよいよ長文読解に挑戦です。
長文を読み始めたころは、どうしても日本語に訳しながら文章を理解しようとしてしまうでしょう。
しかし1文をいちいち日本語に直していると、読むのにとても時間がかかります。
日本語に直そうとするあまり、1つの英文を何度も見返してしまうのは効率が悪いです。
よって、長文読解では英語を訳さずに理解する力を身に着けていくことが大事です。
英文を訳さず理解するコツは、以下の通りです。
・英文を先頭から理解していく(後ろから訳そうとしない)
・英文を日本語ではなくイメージで読み取る
ただし、「下線部を日本語に訳しなさい」というような問題に取り組む場合は別です。
下線部だけは、しっかり日本語訳を意識しましょう。
英語のまま長文読解ができるようになれば、リスニング力も伸びやすくなります。
ただし紙の上の単語と耳から聞く単語にはギャップがある場合があります。
単語の正確な発音や、単語が並んだ時の音の変化などをしっかり身に着けましょう。
これらがわかっていないと聞き取りに苦労します。
ここでリスニング力を鍛える方法の一部をご紹介します。
・ゆっくり聞く
・単語1つ1つの正確な音を抑える
・文章単位での音変化を身に着ける
・よく使われるフレーズは繰り返し聞く
・自分で発音してみる
スピーキング、ライティング修得
長文読解やリスニングで英語の情報をたくさんインプットしたら、最終段階のアウトプットに進みましょう。
アウトプットの基本は、お手本の物まねです。
つまり、インプットした情報を少しづつ変化させて自分の言葉としていくのです。
インプットが弱ければ、アウトプットが難しくなります。
だから読解やリスニングができていない状態でスピーキングやライティングをするのは、学習順番としては適切とは言えないのです。
スピーキング、ライティングを上達させるには、たくさん練習することが大事です。
スピーキングに関しては、一人でしゃべっていてもモチベーションが上がりにくいですね。
英会話スクールを利用する、外国人の友達としゃべる、英会話サークルに参加するなどスピーキングをする機会を積極的に作ってみましょう。
シャイな人は、ロボットが会話をしてくれるAI英会話アプリを利用する方法もありますよ。
ライティングに関しては、SNS、ブログでの情報発信や英語日記を付けるといった練習方法があります。
最近は外国人と気軽にチャットでつながれるので、ライティングの機会も得やすいでしょう。
ただし、見知らぬ人とのコミュニケーションはリスクもあるので、個人情報の漏洩などには十分注意してください。
番外編 長文読解から始める「多読」法
上で紹介した英語の勉強順番は、王道パターンと言えます。
しかし、英語には様々な勉強方法があります。
人によっては上の学習パターンに向いていない人もいるかもしれません。
というのも、基礎力を身に着ける段階というのはどうしても退屈になりがちだからです。
言語の面白さは、ある種のストーリーを聞いたり、読んだりすることで味わえるものです。
最後に、英語勉強順の番外編として「多読」をご紹介します。
「多読」はたくさんの洋書を読むことで、外国語を自然に身に着けていこうとする学習方法です。
多読では、分からない単語があっても辞書を引きません。
周りの分かっている単語から意味を推測しながら、文を読み進めていきます。
最初は簡単な絵本などから初めてもOK。
読むスピードが上がってきたら、徐々に読み物のレベルを上げていきます。
多読では自然なスピードで本を読むことが大切なので、英語を頭から読む能力、訳さず読む能力が鍛えられていきます。
また興味のあるジャンルから本を選ぶため、楽しみながら語彙を増やしていくことが可能です。
多読と並行して多聴を行うことでリスニング力も身についていきます。
多読による英語学習は、基礎固めに多くの時間を割くのではなく、リーディングやリスニングで語彙力や読解力を伸ばしていく方法です。
リーディングやリスニングから始めるという点で、王道パターンとはまた違った勉強順と言えるでしょう。
今回は英語の勉強順について、紹介しました。
英語の力を向上させるには、まずはインプットを増やすのが重要です。
インプットとアウトプットの段階を分けて、勉強を進めてみてはいかがでしょうか。
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