塾講師は保護者と接する機会が意外と多い
学習塾で塾講師として働いていると、意外にも保護者さんとは良く顔を合わせます。 三者面談や受験説明会といったオフィシャルな場面で会うこともありますし、月謝の手続きや、コースの変更などの問い合わせで塾にいらっしゃったり、お電話でお話しする機会も多々あります。 中でも多いのが塾の送迎タイミング。 お見送りの際に顔を合わせたり、その際二言三言話したり。 雨がひどく降った場合は塾前の道路が送迎の車でいっぱいになってしまい、塾講師が交通整備を行ったりという学習塾さんも多いかと思います。 その中でも困るのが、自分が担当になった生徒の保護者さんから直接ご相談したいと言われる事。 その場合の内容は成績に関する質問やご意見などがほとんどですが、稀に家庭での問題についての相談があることもあったりします。保護者対応と距離感
それでは実際、どのような距離感で保護者対応を行えばよいのでしょうか?前提として言葉遣い、挨拶をしっかり行う
アルバイトであれ正社員であれ、保護者の方は塾講師を自分の子供を教え導く「先生」として扱います。 その扱いにふさわしい、とまではいかなくとも、ある程度丁寧な言葉遣いとしっかりとした挨拶は心掛けるようにしましょう。 特に挨拶は重要なポイントです。 塾講師の対応は保護者さん同士の情報交換の場面で話題になる事もあるため、例え自分の担当している生徒の親御さんでなくても「こんにちは!」や「こんばんは!」とハキハキ挨拶しましょう。基本は「聞き手」に回るのが◎
保護者さんと接する際は、塾講師側3割、保護者側7割くらいの配分で話すよう心掛けましょう。 ただ「うんうん」と聞くのではなく、保護者さんが塾講師である自分に「聞きたい情報」が何なのかを考えながら、「相手からの質問に対して答える」といった話し方を意識できればパーフェクトです。 大体は ・生徒の最近の様子や学習状況 ・勉強の成果、最近の結果 ・今後の進め方 といった内容になるかと思いますので、もし事前に保護者対応する事が分かっていたらあらかじめ頭の中でまとめておくとスムーズです。授業に関わらない相談が来た場合はどうすればいい?
先ほど挙げた「稀にある家庭での問題についての相談内容」の続きになりますが、保護者からの相談内容は授業や成績以外の内容、例えば父親や兄弟との関係性についてだったり、子供の反抗期の相談だったりと多岐にわたります。 これは塾によるところもあるかもしれませんが、基本学習塾としてはプライバシーに深く関わることを聞くわけにはいきません。 特にアルバイトの塾講師さんの場合個人的なトラブルに発展してしまったり巻き込まれてしまう危険性があるため、塾としても慎重になる問題です。 もしそういった成績や授業以外のプライベートな相談が来た場合、真剣に聞くことは必要ですが、助言などは控え教室長などに相談しましょう。 余談となりますが、なぜ塾講師を相談相手に選ぶかとというと、学校の先生にそういった家庭のことを相談すると、内申書に影響してしまうのでは…という心配からきているようです。保護者からの印象を良くしておくメリット
これは学習塾を運営する側であった私の所感もありますが、どうして保護者対応がここまで求められるのか、保護者さんとの関係を良好に保つメリットについてもお話したいと思います。 少々学習塾の運営視点になるので、アルバイトの方には身近なお話では無いかもしれませんが、「塾側はこんな事を考えているのかー」くらいの気持ちで読んでみてください。
・生徒の性格を把握しやすい
・塾に対してのニーズを把握しやすい
・口コミが最大のメリット
メリット①:生徒の性格を把握しやすい
正直普段の授業だけでは、生徒の性格まで理解するのに時間がかかります。 生徒の性格は学習計画を立てる上でも重要なので、出来るだけ早く把握するに越したことはありません。 そこで保護者さんからの情報があれば、効率よく性格を把握できます。 コツコツやるタイプとか飽きっぽい性格であるとか、部活での悩みを抱えているとか、学校生活に不安を抱えているとか、通常では知りえない情報を知ることができます。メリット②:塾に対してのニーズを把握しやすい
塾に対して何を求めているのか、具体的に言うと ・成績アップ ・学習習慣 ・受験合格 といった、保護者側のニーズを把握するためにはある程度保護者側とコミュニケーションを取る必要があります。 また、どんな志望校を考えているのかを知るということも重要です。 よくあるパターンなのが、生徒と保護者の間で志望校が異なっているということ。 受験が近づいてきたタイミングでその事実が判明…なんてことにならないように、早め早めに情報を聞き、対応する事が重要です。メリット③:口コミは最大のメリット!
保護者さんが学習塾を選ぶ際、一番重視されるのが「口コミ」です。 周囲の保護者さんに、うちの子が通っている塾の先生、すごく丁寧でいいんですよ!などの口コミを広めてもらえれば新規会員の獲得にも繋がりますし、何より塾講師冥利に尽きます。 もちろん、生徒間の口コミも大切ですが、特にPTA活動が盛んな学校などでは、保護者の口コミは絶大な影響力を持っていると考えていいと思います。一番大事なのは「成績を上げること」
ここまで散々どれだけ「保護者対応」が大事なのかを語ってきましたが、結局一番大事なのは生徒さんの「成績アップ」です。 保護者とも真摯に向き合う必要はありますが、学習塾ですから、生徒の成績を上げることが至上命題、あくまで保護者対応は生徒さんの成績アップの一環、くらいのスタンスで大丈夫です。 保護者対応に悩みすぎてしまうくらいなら遠慮せず教室長や同僚の塾講師に相談し、生徒さんの指導法の研究などに時間を使うようにしましょう。 塾講師暦の長い人なら必ず一回は「モンスターペアレント」の対応も経験していると思いますので、一人で抱え込まない事も大切です。まとめ
以上、塾講師が行う保護者対応についてまとめてみました。 ・塾講師は意外と保護者と接する機会が多い ・大事なのは「挨拶」と「言葉遣い」、「聞き手に回る」こと ・保護者対応するメリットは大きいが、悩み過ぎない事も大事 この記事が、これから塾講師を目指す方々のお役に立てれば幸いです。 最後に余談となりますが、これまでの私の指導経験の中で得た経験則について。 学力の高い生徒の共通点って何かないかな?と考えたことがあります。 いくつか挙げられますが、その中の一つに、 ・家庭が、勉強する環境にある というのがあります。 これは、静かな個室があって…という意味ではありません。 小学生や中学校1年生くらいまでの学習環境をアンケートしたことがあるのですが、勉強場所をリビングと答えている子が成績が良い場合が多いのです。 それも条件付きで、保護者さんが近くにいる状況で、リビングにて勉強しているという場合です。 加えて保護者の方がご家庭で勉強したり、本を楽しそうに読んだりしている状況が普通の日常になっていることも重要だという結果も出ました。 完全個室だと、本当に勉強できているのかうかがい知ることができませんし、いまいち緊張感が保てないのかもしれません。 保護者の方と話す際、会話のタネの一つにでもなれば幸いです。レア求人・スカウトメールの通知を受け取れます!
会員登録はこちら
関連記事
【結果につながる】英語長文を早く読む5つのコツ!サクサク読めるようになるトレーニングも紹介
「英語長文をもっと速く読めるようになりたい・・・」 「英語長文をサクサク読むためのコツを知りたい!」…
2022年4月27日英検2級はどれくらいの勉強期間で合格?勉強方法も併せて解説!
目次を見る 英検2級に必要な勉強期間は人によって大きく違う 英検2級のテスト項目 英検2…
2021年10月18日【全講師必見】―生徒のモチベーションを上げる褒め方・3つのポイントー
今回の記事では、生徒のモチベーションを劇的にUPさせる褒め方について、3つのポイントを解説していきま…
2022年1月21日塾講師・理系担当の先生向け「小4算数 ⑥分数」の指導方法
こちらの連載記事では、小中学生の算数・数学指導における各単元の要点や注意点等について、例題を交えつ…
2022年8月18日塾講師バイトはきついって本当?経験者目線できつい点・楽な点をまとめてみた!
大学生の多くが経験する塾講師バイト。 しかし、バイトに応募する前にどうしても気になってしまうのが…
2021年10月27日【塾講師アルバイト】ストレスを感じる瞬間と対策方法
塾講師のアルバイトは学生などに人気がある反面、ストレスをためやすいお仕事です。 生徒さんの成績…
2022年3月4日