≪本記事の流れ≫
① 小4算数 大きな数・出題パターン ② よくあるミスや勘違いの例 ③ 指導上のポイントと注意点
小4算数 大きな数・出題パターン
(1)表し方
(2)10倍・100倍(1/10・1/100)にした数
(3)数直線・大小
(4)たし算・ひき算・かけ算
出題パターンは、大きく分けて上記の4つあり、各パターンにおける例題と補足事項は以下の通りです。
①表し方
【例題1】3,0980,0000は、1億を〇個、百万を○個、十万を○個集めた数です。
【例題2】二百五億十二万千五百を数字で表しなさい。(数字→漢字パターンもある)
【例題3】百億を54個集めた数はいくつですか。
パターンの1つ目である「表し方」の問題では、位を正確に覚える・表すことが主となる問題です。
小学4年生の算数では、原則「兆」の位までを問題として扱います。
②10倍・100倍(1/10・1/100)にした数
【例題4】380兆×100=
【例題5】3兆200億÷100=
2つ目のパターンは、与えられた数の10~1000倍、1/10~1/1000を答える形式の問題です。
10倍、100倍、1000倍で0を何個増やせばいいのか、あるいはその逆で、0を何個減らせばいいのかということを感覚的に身に付けることが要点となります。
③数直線・大小
3つ目のパターンは、数直線で示された部分の数値を答える問題、指定された数を数直線上に矢印を書き込む問題や不等号を用いて大小関係を答える問題です。 ちなみに、数直線や不等号の扱いや比較の判断方法については、3年生の段階で習得済みなので、 「今までやっていた問題で使われる数字が単純に大きくなっただけ」 と考えれば、難しい問題ではありません。④たし算・ひき算・かけ算
【例題6】2000万+3000万=
【例題7】1兆―9000億=
【例題8】9万×9万=
【例題9】237×41=利用し、2370×4100億を求めなさい。
4つ目のパターンは、計算問題です。
式の中に兆、億、万の漢字が含まれるため、「兆で0何個分か」「億で0何個分か」ということを正確に把握しながら、計算処理を行うことが求められます。
計算式によっては、例題8のように、答えの位が変わる(万→億)形式の問題もあるため、注意が必要です。
小4算数 大きな数・よくあるミスや勘違いの例
① 桁がズレている
【例題2】次の数を数字で書きなさい。
二百五億十二万千五百→205121500(×)
1つ目は、上記のように、答えの桁がズレてしまうケースです。
このような誤答は、どの出題パターンでも見受けられますが、特に例題のような「漢字から数字に直す問題」で多くなる傾向があります。
例題の正しい解答は「205,0012,1500」ですが、十二万に気を取られ、百万、千万の位の0を抜いてしまっている、もしくは、書き忘れていることが分かります。
② 万・億・兆の付け忘れ・付け間違い
【例題6】2000万+3000万=5000(×)
【例題8】9万×9万=81万(×)
2つ目の誤答例は、シンプルに位表記を間違えてしまう、付け忘れてしまうケースです。
「万・億・兆」の表記ミスは、特に計算問題で顕著な傾向があります。
計算部分に気を取られ、最後に確認を忘れてしまったり、予め数の大きさを把握してなかったりすることが原因で、よくこのようなミスが発生します。
では、これらのミスを自ら回避できるようにするためには、指導時にどのような布石を打ち、どんな手順を徹底させていけば良いのでしょうか。
次の章で詳しく解説していきます。
小4算数 大きな数・指導上のポイントと注意点
Point1. 4つで区切ることを習慣にさせる
Point2. ノートのマスをきちんと使わせる
Point3. 漢字を数字に直してから計算する
Point4. 自分が書いた答えを一度、復唱させる
Point1.4つで区切ることを習慣にさせる
1つ目の指導ポイントは、大きな数を「4つ(マス)」で区切ることを徹底させることです。 例えば、「20500121500」であれば「205,0012,1500」といった具合に、右から4桁ずつ点を入れるか、囲う等して、位を素早く正確に把握できるように訓練します。 右から順に「一、十、百、千、万…」と地道に数えていると、途中で桁を間違えてしまったり、時間が掛かってしまったりするので、これらを防ぐことが目的です。 4点区切りを入れておけば、右の1つ目の点は「万」、2つ目の点は「億」、3つ目は「兆」と読ませ、瞬時に「205億12万1500」と処理できるようになります。Point2.ノートのマスをきちんと使わせる
2つ目のポイントは、ノートを使用する際、1マス1文字を徹底させることです。 計算ミスや位の数え間違いが多い子は、ノートのマス目を無視して数字を書く傾向があり、1マスに2文字以上詰め込んだり、枠からはみ出して斜めに数字を書いてしまったりすることがよくあります。 非常にシンプルなことですが、あらゆるケアレスミスの要因ともなり得るので、もし、担当している子にこのような傾向が見られたら、早いうちに改善することをお勧めします。Point3.漢字を数字に直してから計算する
3つ目のポイントは、計算問題で「兆・億・万」の表記がある場合に、一度、すべて数値に置き換えてから計算させることです。・兆…0が12個分 1兆→1,0000,0000,0000
・億…0が8個分 1億→1,0000,0000
・万…0が4個分 1万→1,0000
このように、Point1.で解説した4つ区切りを意識させた上で、それぞれ0の個数が何個になるか、数問、練習すると良いでしょう。
【例題8】9万×9万=
→9,0000×9,0000=81,0000,0000(81億)
漢字から、数値表記を素早くできるようになれば、このような計算問題でも、位の表記ミスや桁間違いを大幅に減らすことができます。
慣れてきたら、頭の中で処理をさせても構いませんが、単元に入ったばかりのタイミングや、ミスが顕著な場合には、数値に直すよう、指導してみてください。
Point4.自分が書いた答えを一度、復唱させる
最後、4つ目のポイントは、生徒が書いた答えを一度、しっかり復唱させることです。 ただし、声に出して読み上げる必要はなく、要するに「見直し・確認」を徹底させましょう、ということです。 このような読み上げ形式の確認方法は、特に、例題2のような「漢字→数字表記」「数字→漢字表記」の問題において、ミスを減らすのに非常に有効な手段となります。 ミスをケアレスミス一言で片づけず、「ミスが発生する原因」を徹底分析し、その上で改善策を具体的に「行動・習慣に落とし込む」ことが、算数・数学の指導では非常に重要ですので、是非、取り入れてみて下さい。 今回は、小4算数の「大きな数」における指導上の注意点や間違いやすいポイント等について、解説させて頂きました。 次回は、小4算数「がい数」のポイント解説を行います。 最後まで、本記事を読んでくださり、誠にありがとうございました。関連記事
be動詞の使い方とは?初心者にもわかりやすく徹底解説!
「be動詞の使い方がいまいち分からない・・・」 「どうやって使い分けたらいいの?」 このような疑問…
2021年11月22日【結果につながる】英語長文を早く読む5つのコツ!サクサク読めるようになるトレーニングも紹介
「英語長文をもっと速く読めるようになりたい・・・」 「英語長文をサクサク読むためのコツを知りたい!」…
2022年4月27日英語リスニングの「聞き流し」を効果的な勉強法にする方法4選
「英語を聞き流す」というリスニング学習法が昔からありますが、この学習法の効果は実際どれくらいのも…
2022年3月10日【塾講師必見】エニアグラム・ 性格タイプ別 指導法④~芸術家タイプ~
この連載シリーズでは、性格類型論の1つであるエニアグラムを用い、生徒の性格タイプに応じて、生徒のや…
2022年3月13日【英語】長文読解、読み方の3つのコツ、解き方の2つのコツ
英語の勉強をしていて、 「英語長文の読解ができない」 「英語長文の読解が苦手...」 という思…
2022年1月24日【塾講師デビュー応援!】初めての授業を成功させるポイントは?
塾講師として最初に全員が経験しなくてはならない難関が「初めての授業」。 初めての授業が入ると「や…
2021年9月16日