塾や予備校の生徒の中には、学習効率をアップさせるノートの作り方を知らない子が少なくありません。
それもそのはずで、学校や塾で問題の解き方は教わってもノートをどのように書けばよいかを教えてくれることはそうそうないですよね。
みなさんの中にも、中学・高校でノートの取り方に苦しんだ方は多いのではないでしょうか。
塾講師の仕事は、なにも勉強を教えることが全てではありません。
生徒が努力できるようなきっかけを作り、生徒自身が自分の力でぐんぐん成長できるようになったとき、講師としての仕事は果たされたといえます。
今回は、一体なんのためにノートを作るのかという根本的な問いかけに始まり、みなさんの塾に通う生徒が今後ノート作りの方針で迷わないような考え方をご紹介します。
ここでご紹介する知見を身につけておけば、生徒に効果的なノートの取り方をアドバイスできることはもちろん、考え方をさらに応用して生徒に目的意識を考えさせる機会を増やし、主体的に努力できる姿勢をグングン伸ばしてあげることができます。
これから塾講師を始められる方も、生徒の自習が捗らずお悩みの先生も、ぜひ生徒にこっそり伝授して自主学習のサポートをしてあげてください。
この記事における前提
そもそも、生徒が達成したいのは成績アップや志望校合格ですよね。
もちろん学びには様々な形がありますし、定期テストや入試で良い点を取ることだけが全てではありません。
しかしながら、保護者は子どもの成績向上のためにお金を使って塾に通わせており、生徒自身は自らの目標達成のために時間を使って塾の授業を受けています。
そんな彼ら、彼女らの期待に応えるためにはやはり講師側も結果にこだわるべきです。
そのため、今回の記事ではあくまで「成績アップ」・「得点力向上」に焦点を絞って効果的なノート作りの方法を議論していくこととさせてください。
ノート作りの極意：失点しやすいポイントに目を向ける
成績をアップさせるためのノート作りが理解できていない子には、手段と目的が混同しているケースが多く見られます。
どういうことかと言いますと、問題を解けるようになって点数を上げたいのか、それともきれいなノートを作り上げたいのか、目的がハッキリしていないということです。
自習が捗らない、学校の授業でポイントをうまくまとめる方法がわからないと言って悩んでいる生徒がいたら、ただきれいにノートを作ろうとしていないか問いかけてみてもよいかもしれません。
前の章でも記したように、ここでは得点力アップを目的として解説します。
試験で点を取りたいならば、ノートに書き留めておくべきポイントには次のような例があります。
多くの受験生が間違えやすいポイント
生徒が受験で戦うライバルのほとんどは、その生徒と同じことを習って、同じくらい勉強してきたはず。 多くの受験生が嵌りがちなポイントは、まず自分自身も引っかかる可能性が十分あるといえるでしょう。 教科書には、受験生が間違えやすいポイントまで書いてくれていることはまずありません。 学校や塾の授業を注意して聞いてみると、教科書には書かれていませんがけっこうつまずきがちなところを教えてくれています。 うっかり聞き逃してしまいそうだと思われるかもしれませんが、どうすれば点を取れるかに意識を集中していれば自ずと聞き逃すことは減るでしょう。 与えられた情報だけを受け身で学ぶことのないよう、自分の生徒には丁寧に説明してあげるべきであると思います。自分自身がよく間違えるポイント
問題を解いていて間違えるポイントというのは、なにもみんなが間違えるところだけではありません。 スポーツ選手のフォームにそれぞれクセがあるように、塾に来ている生徒一人ひとりにも問題を解くときのクセは存在します。 「〇〇の公式を使うときについつい2を掛け忘れちゃうな」 とか 「主語が複数形の時、be動詞の過去形をいつも間違えてwasって書いちゃうんだよな」 といった、頭ではわかっているけれどついクセで間違えてしまうという場面はテストや受験のみならず、生活のあらゆる場面で発生するものです。 勉強においても、正確な答えを出さなければテストで評価されない以上は自分のクセを見抜き、失点を招く要素を一つずつ潰していくことが有効です。成績向上は小さいことの積み重ね
ここまで読まれた方は、
「なんだ、そんな小さいことわざわざノートに書かなくてもいいじゃないか」
と思われるかもしれません。
しかし、ご自身が中高生だった頃を思い出して見てください。
定期テストや入試でみなさんを助けてくれたのは、誰も知らない魔法の公式でも、重箱の隅をつつくような豆知識でもなかったはず。
ほんの些細なつまずきポイントに注意を払いながらコツコツと得点を積み重ねていったのではないでしょうか。
得点力を上げるために、教科書のようなノートは効率が良いとはいえません。
数学の公式や英語の文法をいくらきれいにまとめてノートを作ったところで、それは教科書を読み返せば事足ります。
実際、そのような基本事項や重要ポイントは教科書にもわざわざ色をつけたり太文字にしたりと目立たせて書いてくれています。
そうではなくて、生徒の得点アップを阻む要素を次から気を付けることができるようにノート作りを指導してあげればよいのではないでしょうか。
まとめ
点を取るためのノート作りについて、ご理解頂けましたでしょうか。
みなさんご存じの通り、定期テストや入学試験というのは、授業で学んだことをただ理解できていれば評価されるわけではないのです。
出題された問題に対して、制限時間内に正確な解答を作れた生徒が評価される仕組みになっている以上、結果を出すためには得点力をアップさせることに徹底的にこだわる必要があります。
そのために、多くの受験生が間違えやすいポイントや、自分がクセで間違えた箇所、
生徒は教科書や問題集の一問一問を教えてもらうためだけにみなさんのもとへ毎週同じ時間に通ってきているわけではありません。
そうした断片的な方法論の伝授だけではなく、自分の目標を明確に定めて徹底的に目標達成にこだわった努力の仕方を伝えてあげれば、生徒の満足度もグンと向上し、講師としての信頼はさらに高まることでしょう。
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