学生バイトで塾講師の経験をしたが自分に合っているようだった、教育業界で働きたいなどの理由から塾講師として就職したいと考える人も多いでしょう。
そんな塾講師として就職したい!という人向けに、今回の記事では以下の内容を解説します。
・なる前に知っておきたい、塾講師についての情報
・塾講師になる際に有利な資格
・採用面接で気をつける点
就活を始めたり、いざ働き始めたりしてから「こんなはずじゃなかったのに」とならないよう、しっかり準備してから採用面接に挑みましょう!

塾講師は非正規雇用が多い!
まず押さえておきたいのが「塾講師の多くは非正規雇用」という点です。
つまり、塾講師で正社員になろうとすると、求人を探すだけでかなり大変になります。
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2021年6月の学習塾の講師数は、調査対象である135,189人中119,446人が非常勤講師(時給制の講師)、15,743人が専任講師(月給制の講師)となっています。
つまり、簡単に考えると塾講師のうちフルタイムで働いているのは12%程度。
さらに、これはあくまでも「専任講師=月給制講師」の割合であり、契約社員なども含まれています。
実際に正社員で講師をやっている人の数は、この割合より少ないと考えていいでしょう。
働きたい!と思う塾があっても、講師職で正社員の募集がないこともあるのです。
正社員なら塾長などのマネジメント職も視野に
もし「働くのだったら正社員がいい!」とこだわりがあるのならば、講師職だけでなく塾の運営やマネジメントをする職種にも視野を広げて就活することをおすすめします。
具体的に言えば、「塾長」や「マネージャー」などと言われる職種です。
実際に授業をすることはありませんが、ご家庭と話し合って志望校や勉強の方向性を決めたり、営業をしたり、アルバイトの指導を行ったりと塾の運営に関わる重要な仕事です。
講師であっても社員の場合は塾の運営業務に関わることが多いですし、講師職とマネジメント職の差は実際に授業を行うかどうかという点になります。
「絶対に授業をしたい!」というのではなく、「生徒の未来に関わる、やりがいのある仕事につきたい」と考えられるのであればマネージャー職も考えてみるといいでしょう。

塾講師の年収や勤務形態
令和元年賃金構造基本統計調査によると、個人教師、塾・予備校講師の年収は平均で約393万円。
個人教師には「お茶の先生」なども当てはまるため正確に塾講師の年収を表しているわけではありませんが、大体の目安にはなるでしょう。
また、実際に就職する塾によって差はありますが、塾講師の勤務形態はおおむね以下のようになっています。
・週休2日(土日の休み・連休は取りづらい)
・13時〜20時勤務
塾は生徒が休みの土日に授業が多く行われますし、模試や面談も休日に開催されます。
そのため、土日の休みは取れないか、取れてもどちらか1日のことがほとんどです。
また、お盆やお正月の時期は基本的に講習期間となるため、この時期に帰省や旅行をしたりするのは厳しいかもしれません。
普段も昼から夜の勤務時間になるため、他業種の家族や友人となかなか都合が合わせにくくなることは覚悟しておいたほうがいいでしょう。
残業も多めですし、そもそも業務外でも常に勉強し続けなくてはならない仕事でもあるため、「勉強そのものが好き」「教えることに情熱がある」という人に向いています。

採用時にあると有利な資格や経験は?
塾講師として働くために必要な資格は特にありません。
しかし、持っている資格や経験によっては、採用される際にプラス評価となることも。
以下では、塾講師になるにあたって、持っていると有利になる資格を紹介します。
・大卒資格
・教員免許
・TOEICや英検・数検など
・塾や家庭教師のバイト経験
当然ですが、塾は学歴が物を言う世界です。
そのため、大学卒業、最低でも大学中退の資格・経歴はほぼ必須と言っていいでしょう。
学歴は高いほどよく、難関大であればあるほど、また学部卒よりも院卒が好まれます。
教育学部や数学科、英語科など専門の方が好ましいのでは?と思うかもしれませんが、学部はあまり問われませんので安心してください。
教員免許を持っていると、「教育について熱意や理解がある」ということがわかりやすく相手に伝わります。
TOEICや英検なども持っていると、学力がある、大学に入ってからも勉強をしてきたというアピールになるでしょう。
また、「実際にどんな業務を行うかがわかって応募してきている」というところから、塾や予備校などでのバイト経験も評価につながります。
ただし、独自色が強い予備校だとかえって「うちに馴染めないかも」と思われて敬遠されてしまうこともあるので、注意が必要です。

採用試験で気をつけたい点
塾講師の採用試験も、他の企業の採用試験と変わらず「その塾・予備校だけの強み」や「その塾に対して自分はどう貢献できるか」などをアピールすることが重要。
しかし、中には塾ならではの注意点もあります。
試験会場で慌てないように、心の準備をしておきましょう。
学力試験・模擬授業がある
塾の採用試験で一番独特なのは、学力試験や模擬授業がある点。
新卒では模擬授業が課されない場合も多いですが、中途採用ならどちらも必須と考えましょう。
講師を目指すならば、ある程度勉強はできなくてはなりません。
塾がどのレベルの生徒を対象にしているかにもよりますが、最低でもセンター試験レベルは出てくると思ってください。
模擬授業は前もって課題を教えてもらえるケースと、その場で解かなくてはいけないケースがあります。
問題は使い回されていることも多いため、その予備校で働いている人などと知り合いになっておいてあらかじめ「どんな問題が出たか」を聞いておくといいかもしれません。
また、模擬授業は自分一人でやってもなかなか問題点に気づきにくいもの。
恥ずかしいかもしれませんが、友達などに生徒役になってもらって練習しておくことをおすすめします。
なぜ学校ではなく塾で働きたいのか
「塾に就職するには教員免許を持っているといい」といいましたが、教員免許を持っていると聞かれがちなのが「なぜ学校ではなく塾で働きたいのか」という質問。
教員にならず塾講師を選んだ理由はさまざまだと思いますが、「学校は大変そうだったから」「部活指導をやりたくなかったから」などと学校を貶すような答えはNG。
「授業に専念することで、より専門性の高い授業を行いたいから」「自分のやりたい教育はこの塾にあると気づいたから」など、プラスイメージで答えるようにしましょう。

塾講師はやりがいのある仕事!
塾講師は生徒の将来に対して大きな影響を及ぼす、やりがいのある仕事です。
しかし正社員の募集も少なく、他人と休みが合わせづらいなどのデメリットもあるため、就職しようと思うのであれば、その点を受け入れられるかどうか考えておきましょう。
塾講師になる際に必要な資格はありませんが、教員免許やTOEICなどは持っていると有利になります。
塾講師に限らず、教育業界を目指す大学生であれば取得しておくといいでしょう。
大変な部分も多い塾講師業ですが、そのかわりに生徒の成績アップや合格報告を聞いたときの喜びもひとしお。
「勉強する楽しさを伝えたい!」「将来の夢を叶える手伝いをしたい!」と思う人は、ぜひ挑戦してみてください。
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