高瀬志帆の描く中学受験コミック「二月の勝者」がドラマ化
最強で最悪のスーパー塾講師、黒木蔵人(くろき くろうど)は、中学受験の中堅塾「桜花ゼミナール」吉祥寺校の校長。 首都圏の小学生のうち2割が中学受験をする中、第一志望校に合格する生徒は全体の3割。 しかし、黒木は全員を合格させると生徒たちの前で宣言する。 元々は、日本一の合格実績を誇る名門塾「ルトワック」の10年連続日本一講師だった黒木が、なぜ業績不振の桜花ゼミナールに移籍してきたのか? 講師たちの前では、保護者のことを「金のなる木」や「スポンサー」と表現。 「学習塾は子供の将来を売る場所です」という言葉に戸惑う新任講師の佐倉(井上真央)やほかの講師たち。 しかし、黒木は生徒の本質を見抜いて適切な声かけを行うことで、子どもたちはもちろん保護者達も変わっていく・・・桜花ゼミナールでも、ルトワック時代のように日本一講師の手腕を発揮し、生徒たちを全員合格に導けるのか? 中学受験塾を舞台に、個性あふれる講師たちと31人の生徒たちが合格に向かって奮闘する様子が、圧倒的なリアリティで描かれるドラマにぜひご期待ください!第1話のネタバレ・あらすじ
2月中旬、桜花ゼミナール吉祥寺校。 入塾説明会で、中学受験に不合格だった家庭について語る黒木。 厳しい現実にショックを受けた保護者が席を立とうとするが、黒木が名門塾ルトワックで10年連続No.1講師だったと知り、説明会の参加者全員が入塾希望者となった。 桜花ゼミナールに校長として移籍した黒木は、講師ミーティングで「新規入塾者の確保が重要で、親は金のなる木」と表現し、佐倉をはじめとした講師陣は反発を感じる。 場面は変わり、仕事帰りにの黒木に、ルトワックで講師を務める灰谷先生が声をかける。 黒木がルトワックから、わざわざ中堅塾の桜花になぜ移籍したのか真意を問うが、納得のいく答えは得られない。 一方、同僚から中学教員をやめた理由を問われ、口ごもる佐倉。 ある女子生徒とのやり取りがきっかけで、塾講師に転職することになったのだ。 佐倉は6年生のRクラスを担当することに。 ある日、成績最下位の三浦君の父親が「勉強をするからサッカーをやめると息子が言ってきた」と怒って塾にやって来た。 「偏差値40の息子に中学受験なんて無駄だ」という父親に、凡人こそ中学受験すべきだという黒木。 サッカーでプロになれるのは0.08%なのに対し、有名私立中合格の可能性は10%もあると告げる。 その夜家族で話し合い、入塾を決めた三浦君だったが、黒木は佐倉に「ATMである父親の心をゆさぶっただけ」と言い放つのであった。塾講師目線の感想・レビュー
ドラマ第1話、楽しく拝見しました。 現実の受験塾と同じところもあれば違うところもあり・・しかし、全体的にとてもリアリティのある内容でした。 冒頭、入塾を検討している保護者を前に黒木先生が説明会を行うシーンがあります。 ドラマの中では2月中旬となっていましたが、現実では、2月上旬から新6年生のカリキュラムがスタートします。 1月中にクラス分けテストを行い、2月頭に6年生の受験が終了すると同時に、5年生は新6年生としてスタートを切るのです。 講師たちは、6年生の入試結果を見届けたらすぐに、新学年のスタートとなります。 説明会後、黒木先生は講師たちに向かって、「新規入塾者の獲得が大切」という話から、「親はスポンサー、ネギを背負ってくるカモ、金のなる木」と表現します。 なかなかインパクトのある表現でしたね。 塾によって差はあるでしょうが、ボランティアではなく営利企業ですから、利益を上げなくてはなりません。 新しく入塾させることも必要で、塾によっては何人とノルマが設定されている場合もあります。 黒木先生はあまりにも露骨でしたが(笑)、校長など管理職は数字の達成が評価に影響するので、一般講師よりも入塾者を増やすとか、オプション授業を取ってもらうなどに敏感に反応する傾向はあるかもしれません。 ちなみに、初回のオープンテストのあとに、受けた子たち全員の偏差値と点数を開示するシーンがありますが、これはほとんどの塾ではやっていないでしょう。 成績優秀者の名前や点数が掲示される塾は多いでしょうが、全員が自由に見られる形で最下位の生徒まで公開することはありません。 その代わり、成績順でクラス内の座席が決まっている塾はあります。 第1話では、周りから小学校の成績が良いので有名大学の付属に入れると言われ、体験入塾を希望した親子が登場します。 しかし、オープンテストでは塾生中最下位、偏差値40でショックを受けてしまいます。 このようなことはよくあることで、主に小学校で成績上位の子たちが中学受験をすると考えると、その中で偏差値40、あるいは30といったこともよくあることです。 4年生から受験勉強を始める子が多いことを考えると、6年生からの入塾希望で偏差値40であれば、決して悪い成績ではなく、今後の伸びが期待できるとも言えます。 「不可能を可能にする。それが中学受験です」「全員を合格させる」と宣言した黒木先生。中学受験の世界がドラマ化でどのように表現されるのか、第2話以降も楽しみにしていきたいと思います。関連記事
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