前回(第1話)のあらすじ
2月中旬、桜花ゼミナール吉祥寺校。入塾説明会で、中学受験に不合格だった家庭について語る黒木。 厳しい現実にショックを受けた保護者が席を立とうとするが、黒木が名門塾ルトワックで10年連続No.1講師だったと知り、説明会の参加者全員が入塾希望者となった。 桜花ゼミナールに校長として移籍した黒木は、講師ミーティングで「新規入塾者の確保が重要で、親は金のなる木」と表現し、佐倉をはじめとした講師陣は反発を感じる。 場面は変わり、仕事帰りにの黒木に、ルトワックで講師を務める灰谷が声をかける。 黒木がルトワックから、わざわざ中堅塾の桜花になぜ移籍したのか真意を問うが、納得のいく答えは得られない。 一方、同僚から中学教員をやめた理由を問われ、口ごもる佐倉。 ある女子生徒とのやり取りがきっかけで、塾講師に転職することになったのだ。 佐倉は6年生のRクラスを担当することに。ある日、成績最下位の三浦君の父親が「勉強をするからサッカーをやめると息子が言ってきた」と怒って塾にやって来た。 「偏差値40の息子に中学受験なんて無駄だ」という父親に、凡人こそ中学受験すべきだという黒木。 サッカーでプロになれるのは0.08%なのに対し、有名私立中合格の可能性は10%もあると告げる。 その夜家族で話し合い、入塾を決めた三浦君だったが、黒木は佐倉に「ATMである父親の心をゆさぶっただけ」と言うのだった。第2話のネタバレ・あらすじ
最下位のRクラス。 生徒たちのテスト結果は散々で、授業中いつも窓の外を眺めている加藤君は0点だった。 「あまりやる気が見られないRクラスをどうしたらよいものか」と思う佐倉に対し黒木は、「Rクラスはお客さんですから、一生懸命にならないでください」と告げる。 その後、加藤君の母から「息子は中学受験に向いてないのでは」と相談を受け、加藤君にやる気を出して欲しいと思う佐倉は、「授業後にマンツーマンで教えるよ」と声をかける。 仕事終わり、暗く静かな教室で、加藤君の席に座る佐倉。 机を見ると、4桁の数字がたくさん書かれていた。 そして次の授業後、マンツーマン指導の最中に、加藤君がいつも窓の外を見ているのは電車に興味があるからだと気付いた佐倉。 一方で、マンツーマン指導の様子を見て「マジ?最悪!」と言う花恋と樹里。 最上位クラスの花恋は、ほかにも質問する子がたくさんいるため、自分の質問時間が少なくなることを不満に感じていたのだ。 そして、次の授業をなぜか加藤君は欠席。 そして母親から、「塾を辞めたいと言っている」と連絡があった。 花恋が加藤君のことを羨ましく思い、「マンツーマンなんて意味あるの?ダッサ!」と言ったのが原因だったようだ。 そして、退塾を希望する両親と加藤君の面談が始まった。 これ以上無理をさせたくないという母親と、自分の時間が欲しいという加藤君。 自分の時間があったら、鉄道動画を見たいという加藤君に、黒木はジオラマの動画を見せる。 すると突然饒舌になり、加藤君は鉄道の解説を始めたのだった。 そのジオラマを作っているのは、鉄道研究会のある中学校の生徒だと分かり、鉄道研究会のある中学校に行きたいと言う加藤君。 塾を続けることにした加藤君の表情は、少し明るくなったようだ。 仕事終わりに吉祥寺を歩く黒木。突然髪の毛をクシャクシャとして、ネクタイを緩める。 今までの冷徹な雰囲気とは真逆の、軽い雰囲気に変わった黒木は、「黒ちゃん」と呼ばれ女の子たちが待つ「スターフィッシュ」へと入っていった。塾講師目線の感想・レビュー
第2話も盛りだくさんな内容でしたね。 黒木先生が、「(最下位の)Rクラスはお客さん」と語るシーンがありましたが、なかなか衝撃的なセリフでした。 塾にはいろいろなタイプのお子さんがいるので、勉強に身が入らない子も確かにいます。 しかし、最下位クラスだからと言って、お客さん扱いで授業の手を抜くということはもちろんありません。 むしろ、最下位クラスと最上位クラスは力のある講師が担当する塾も多いのではないでしょうか。 指導力がある講師が教えることで、成績を伸ばしていく子が多いのも事実です。 子供たちが「〇〇の制服はかわいいよね!」「〇〇のセーラー服のリボンが素敵!」と、憧れの中学校について語る場面がありましたが、実際女の子ではこういう子たちもいます。 男子生徒で、「どこそこの制服のボタンがカッコいいから着たいぜ!」なんていう話を耳にすることはないので(笑)、女子生徒ならではのチェックポイントなのかもしれません。 また、今回は鉄道好きな加藤君についてのエピソードが多めでしたが、「入りたい部活」がハッキリしている子にとっては、私立中学は魅力的に映る傾向があります。 今回のように、「鉄道研究部」が充実している私立中学はたくさんありますが、公立中学ではあまり聞かない部活ではないでしょうか。 サッカー部なども、私立中学ではナイター設備や人工芝グラウンドを備えた学校も多いです。 高校受験の心配をせずに、大好きな部活に打ち込めるのは大きなメリットでしょう。 ちなみに、今回の加藤君のように、「オタク」と言われるような趣味がある場合は、共学校よりも「男子校」のほうが伸び伸び過ごせるとも言われています。 共学校だと、異性の目をどうしても意識する場面があるため、「オタクなんて気持ち悪い」と女子からバカにされることがあるかもしれませんが、男子校ではそのようなことを気にする必要がないからです。 むしろ、「お前そんなことまで知ってるんだ、すごいな!」と称賛されるかもしれません。 受験勉強を続けることに決めた加藤君、いい表情をしていましたね。今後、子供たちがどのように成長していくのか楽しみです。関連記事
正社員・塾講師の一年間、丸分かりシリーズ~1学期編~
塾講師の仕事は、概ね一年単位で、同じサイクルを繰り返します。 しかし、業務の内容については、 …
2022年2月26日塾講師・理系担当の先生向け「小4算数①大きな数」の指導方法
こちらの連載記事では、小中学生の算数・数学指導における各単元の要点や注意点等について、例題を交…
2022年6月14日生徒のタイプによって伸ばし方が違う?―エニアグラムの実践―
塾に勤め、生徒への学習指導を自身で振り返った時、 「自分と相性の良いタイプの子とそうでない子が…
2022年2月19日【塾講師目線で解説】二月の勝者ドラマ第4話ネタバレと感想まとめ
前回(第3話)のあらすじ ある日、木村先生が大慌てで講師室に飛び込んできた。 前田花恋と母親がル…
2021年11月8日【塾講師必見】エニアグラム・ 性格タイプ別 指導法⑦~楽天家タイプ~
この連載シリーズでは、性格類型論の1つであるエニアグラムを用い、生徒の性格タイプに応じて、生徒の…
2022年3月25日【塾講師目線で解説】二月の勝者ドラマ第5話ネタバレと感想まとめ
前回(第4話)のあらすじ ゴールデンウィーク特訓の申し込みが始まった桜花ゼミナール。 塾生の中…
2021年11月15日